金と銀が急落、イラン攻撃によるインフレ懸念とドル高が背景(Forbes JAPAN)

前日には上昇していた銀の価格は一転、米国時間3月3日に急落した。金も同様に下落している。米国とイスラエルによるイラン攻撃がインフレ懸念を引き起こし、ドルが5週間ぶりの高値まで上昇したことがその背景にある。 米東部時間午前10時20分時点での銀の価格は80.67ドルで、9%超の下落となった。ただし、早朝に記録した安値の78.06ドルからはわずかに値を戻している。 銀は前日につけた高値から大幅に値を下げた。2日、銀は約97ドルまで上昇し、1月下旬に記録した過去最高値の120ドルに次ぐ高値を付けていた。 金も3日の朝に下落し、午前10時20分時点では約5%安の5049.60ドル付近で推移している。 ■ドルはイラン攻撃における「究極の安全資産」 コメルツバンクのアナリストを務めるトゥ・ラン・グエンはウォール・ストリート・ジャーナルに対し、貴金属価格が下落する理由について、市場が「中東での情勢に起因するインフレリスクをより重視し、その結果として利下げ期待が縮小している」ためだと語った。 アナリストらはまた、貴金属価格の下押し要因とされるドル高にも言及している。アナリストのロス・ノーマンはロイターに対し、「ドルは米国債とともに猛烈に上昇しており、それが金や、特に銀にとって強い逆風となっている」と述べた。 ドルはここ数週間で最大の上げ幅を見せ、2日には最大で1%上昇した。マネックス証券の外国為替トレーダーであるアンドリュー・ハズレットは、ブルームバーグに対し、石油やガス価格が上昇する中、ドルはイラン攻撃における「究極の安全資産」であると語った。

■インフレ懸念を引き起こしている要因 イラン攻撃の勃発を受け、今週は原油価格が急騰した。一部のアナリストは、これが広範なインフレの前兆になる可能性があると指摘している。米原油指標のWTI先物は2日に7%上昇し、国際原油指標の北海ブレント先物は最大8%上昇して1年以上ぶりの高値を記録した。「戦争は負の供給ショックを伴うため、『インフレ的』であることが証明されている」と、マッコーリー・グループのストラテジスト、ティエリー・ウィズマンはCNBCに語り、「保険料の上昇や海上輸送の強制的なルート変更」によって原油価格が急騰していると述べた。 イラン攻撃により、世界の石油の約20%が通過するホルムズ海峡の通行は、同海域でのイランによる船舶攻撃を受けて事実上停止している。通行が速やかに再開されない限り、原油価格が持続的に急騰するとの懸念の声もある。ICISのエネルギー・精製部門ディレクターであるアジャイ・パルマーはロイターに対し、「海峡の閉鎖が長引けば」原油価格は1バレルあたり100ドルを超える可能性があると語った。また、欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミスト、フィリップ・レーンはフィナンシャル・タイムズに対し、原油価格の上昇が「特に短期的には、インフレに上昇圧力をかける」とし、原油価格への影響は「攻撃の広がりと期間」に左右されるだろうと指摘した。 ■貴金属における直近の価格動向 貴金属価格は2月下旬に値を上げた。アナリストらはこの価格上昇について、ドルの軟化とイランとの緊張の高まりが要因であるとし、国際的な不透明感が増す中、貴金属の安全資産としての魅力が高まったと分析している。この上昇は、それぞれ5600ドルと120ドル以上の過去最高値から急落に転じた金と銀が、部分的に回復したことを意味していた。この過去最高値は、国際的な緊張、トランプ関税、そして連邦準備制度理事会(FRB)の独立性をめぐる懸念によって続いた数カ月間にわたる上昇相場の頂点であった。 ●金は「世界市場の不安を測る最も明確な指針」として浮上するか 今後数日で貴金属価格が反発できるかどうかに注目が集まる。ロイターによれば、フィッチ・ソリューションズのアナリストなど一部の専門家は、今週後半に金が値を上げる条件は整っていると述べ、情勢が沈静化しない限り、金は再び5600ドルを超える可能性があるとした。XS.comのラニア・ギュレは、米国とイランの緊張が持続すれば金は上昇する可能性があるとし、金が「世界市場の不安を測る最も明確な指針」として浮上する可能性があるとウォール・ストリート・ジャーナルに語った。

Conor Murray

Forbes JAPAN
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