米サービス業の企業活動は拡大ペース加速、PMI約3年ぶり高水準

Vince Golle

  • 12月のサービス業PMIは58.5に上昇-21年10月以来の高水準
  • 堅調なサービス業と低迷続く製造業という経済の乖離を示す

米サービス業の企業活動は12月に拡大し、2021年10月以来の高水準となった。製造業の不振が深刻化する中、サービス業が経済に勢いを与えている。S&Pグローバルが購買担当者指数(PMI)速報値を公表した。

キーポイント
  • 12月のサービス業PMIは58.5に上昇
  • 製造業PMIは48.3に低下
  • 総合PMIは56.6に上昇
  • 同指数は50を上回ると活動拡大、下回ると活動縮小を示す

  総合PMIでは、生産見通しの指数が3.3ポイント上昇して71.1と、22年5月以来の高水準となった。

  今回のPMIは、堅調に拡大するサービス業と低迷が一段と悪化する製造業という、経済における乖離(かいり)の拡大を示している。トランプ次期政権による関税賦課の可能性を巡る懸念で投入コストの上昇が加速する中、製造業の生産と受注は活動の縮小ペースが速まった。

  S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は発表文で、「心強いことに、今後12カ月の見通しに対する信頼感は2年半ぶり高水準に上昇した。これは堅調な経済回復が25年も継続するほか、その回復が分野ごとに一段と広がりを見せる可能性があることを示唆している」と指摘。

  ただ一方で、「関税を巡る懸念や、輸入原材料のコスト上昇に起因するインフレへの潜在的な影響から、製造業分野では選挙後に見られた高揚感が一部抑制された」と記した。

  製造業の原材料の仕入れ価格指数は7ポイント近く上昇して59.1と、22年遅く以来の高水準。サービス業の投入コストは、ここ4年余りで最も低い伸びとなった。賃金の伸び鈍化が背景にある。

  サービス業では新規事業の伸びが22年3月以降で最大となった。サービス業活動の見通しを示す指数は約2年ぶり高水準に改善。またトランプ次期政権による企業寄りの政策への期待から、製造業活動の見通しを示す指数は高い水準が続いた。

  調査は12月5日から13日にかけて実施された。

原題:US Services Activity Expands by Most in More Than Three Years(抜粋)

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