スペイン、非EU市民の住宅購入に100%課税検討-英国に影響大
Rodrigo Orihuela
- 高級物件増加で不動産価格急上昇、地元住民が締め出される事態も
- スペインの住宅、最大のEU外購入層は英国人と中南米の富裕層
スペイン政府は国内での住宅購入を巡り、非欧州連合(EU)圏の居住者に最大100%の税金を課したい考えだ。実現すれば、英国および中南米からの購入者への影響が大きい見込みだ。
サンチェス首相は13日、首都マドリードでの住宅問題に関するフォーラムで「2023年だけでも、EU圏外の居住者によるスペインでの住宅購入件数は約2万7000件に上った」と指摘。
「こうした購入は自分や家族が住むためではなく、投機目的で、それによって利益を得ようとしてのものだ。われわれが生活を営むこの社会で許されることではない」と述べた。
同首相によると、非EU居住者の住宅購入に100%の税金を課すという政府案は議会に提出される予定。この課税計画はデンマークとカナダの税制にヒントを得たものだという。
マドリードで開催された「住宅、福祉国家の第5の柱」フォーラムで演説するサンチェス首相(1月13日)
スペインは長年にわたり、EU北部諸国や英国からの住宅購入者をアンダルシアやバレンシアなどの地域に引き付けてきた。
地中海沿岸地域は退職後のすみかや別荘地を求める外国人に人気で、特にバレアレス諸島の4島では近年、短期賃貸物件と高級物件の増加が相まって不動産価格に大きな影響を与えており、場合によっては地元住民が締め出される事態も発生している。
EU圏外の不動産購入者の中で最も多いのは英国人だ。英国のEU離脱後、英国民はドイツやオランダなどEU加盟国からの購入者よりも多くのハードルを乗り越えなければならなくなった。
また、マドリードは中南米の富裕層にも人気で、こうした購入者による中心部の物件買い占めのため、首都全体の住宅価格が上昇している。
原題:Spain Seeks to Set 100% Tax on Non-EU Citizens Buying Houses (1)(抜粋)
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