トランプ関税、日本車も対象に GDP0.2%程度下押しか
[東京 27日 ロイター] - トランプ米大統領が関税の導入を表明した自動車は、日本にとって最大の対米輸出品目で、政府は回避に向けて米側に働き掛けてきた。乗用車の場合は現在の2.5%から27.5%へ関税が引き上がり、アナリストらは日本の国内総生産(GDP)を0.2%程度下押しすると試算する。
財務省の貿易統計によると、2024年の対米輸出は21兆2947億円。このうち自動車は28.3%の6兆0264億円で、最も割合が大きい。今回関税の対象とならなかった部品まで含めると、34.1%の7兆2574億円まで膨らむ。
自動車は全産業の1割を雇用する日本の基幹産業で、輸送用機器全体では国内総生産の約3%を占める。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、25%の追加関税で日本のGDPが0.2%程度低下すると試算する。木内氏は27日のリポートで「日本にとっては最も関税を掛けて欲しくない自動車が関税の対象となった」と指摘。「国内での生産、雇用の縮小を促し、空洞化を後押しすることになる」とした。
第一生命経済研究所の前田和馬、阿原健一郎の両主任エコノミストは3月21日のリポートで、輸出減少による直接的な影響としてGDPを0.2%、川下への波及効果まで含めると0.52%下押しすると試算した。
<適用除外を強く申し入れ>
林芳正官房長官は同日午前の会見で米国の措置は「極めて遺憾」としたうえで、「改めて米政府に対し、措置の対象から日本を除外するよう強く申し入れた」と述べた。
日本自動車工業会によると、国内の年間生産台数は2023年に899万9000台だった。このうち輸出は442万3000台、米国向けは148万5641台だった。
日本メーカーの多くは対米輸出拠点としてメキシコにも工場を構える。トヨタは24年に約24万台、日産は約66万台を生産。マツダは米国で販売する自動車の約3割をメキシコで生産した。
27日午前の東京株式市場では、米国を主力市場とする自動車株が軒並み下落。トヨタ、ホンダ、日産は3%前後下げ、マツダとSUBARUは5─6%安で推移した。
(取材協力:石田仁志、杉山健太郎)
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Daniel Leussink is a correspondent in Japan. Most recently, he has been covering Japan’s automotive industry, chronicling how some of the world's biggest automakers navigate a transition to electric vehicles and unprecedented supply chain disruptions. Since joining Reuters in 2018, Leussink has also covered Japan’s economy, the Tokyo 2020 Olympics, COVID-19 and the Bank of Japan’s ultra-easy monetary policy experiment.