南欧で山火事が拡大、クレタ島で消防士2人死亡 スペインやフランスも熱波に警戒
画像提供, Anadolu via Getty Images
Published
この記事は約 5 分で読めます
南ヨーロッパで山火事が広がっている。ギリシャ・クレタ島では29日、消火活動に当たっていた消防士2人が、火災に巻き込まれて死亡した。強風が炎をあおっており、複数の村で住民らが避難を余儀なくされている。
トルコ南部でも、ムーラ県で発生した火災のため、フェトヒエとアンタルヤを結ぶ主要幹線道路が閉鎖された。また、一部の病院で避難が実施された。
一方、スペインとフランスでは今夏4度目の熱波が到来しており、消防隊員たちはようやく鎮圧した大規模な山火事の再燃を防ごうとしている。
目撃者によると、クレタ島ではこの日、複数の火災が発生し、急速に延焼した。最も規模の大きい火災では、炎が15キロメートルも続いていたという。消防当局によると、死亡した2人の男性消防士は、西部の都市レティムノ近郊で活動中だった。
ギリシャではこのほか、エーゲ海のパロス島とレスボス島、そして本土南部のトリフィリアでも山火事が発生している。
スペインでは、ペドロ・サンチェス首相が、首都マドリード近郊で発生した山火事について、今後12時間が消火活動にとって「決定的な」時間になると警告した。「気温の上昇、湿度の低下、突風の危険性があるため、最大限の注意を払いながらも、状況は順調に進んでいる」と、首相は記者団に語った。
マドリードの西150キロに位置するアビラ県ブルゴホンドでは、すでに4万3000ヘクタール以上が焼失した。これはスペイン史上最大の山火事となっている。同国では今年、山火事により合計20万7000ヘクタール以上が焼失した。
消火活動を指揮するチームの一人、フランシスコ・ボラニョス氏は、火災は「夜間に1センチも動いていない」ものの、気温の上昇により再燃する恐れがあり、外周距離で180キロになる範囲を安定させることに重点を置いていると述べた。
画像提供, AFP via Getty Images
トレド、マドリード、アビラ、カステリョン(カステリョー)の各県で規制が解除されたことを受け、当局は数千人の住民に自宅に戻ることを許可した。
マドリード地域だけでも、2万4000人が帰宅を許可され、さらに2万人のロックダウンが解除された。
帰宅した人々の中には、マドリードの西のナバス・デル・レイとチャピネリアの住民約1000人が含まれている。この街の住民らは、首都の南西にあるレガネスという町に滞在していた。
チャピネリアのルシア・モヤ市長は公共放送テレマドリードに対し、町への影響は非常に深刻で、「多くの住民が家と仕事を失った。元の生活に戻るのは困難な道のりになるだろう」と語った。
また、近隣のティエタル渓谷で発生した火災で避難を余儀なくされた2000人の多くは、火災現場から南に少し離れたタラベラ・デ・ラ・レイナの町でボランティアの人々のサポートを受けた。
29日朝の時点で約300人の避難者が残っており、ホセ・フリアン・グレゴリオ町長は通信社エウロパ・プレスに対し、彼らは「初日と同じレベルのケアを受けることになるだろう」と語った。
バレンシアの北西にあるヴァル・ドゥイショでは、依然として1件の火災が鎮圧されていない。
欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービスによると、気候変動は世界中で気温上昇を引き起こしている。ヨーロッパは最も急速に温暖化が進んでいる大陸で、世界平均の2倍の速さで温暖化が進んでいる。
これにより、夏の猛暑が増加し、ヨーロッパの水源で水不足の可能性が高まり、山火事もより激化している。
フランス南西部のジロンド県で発生した大規模な山火事は、何度か再燃したものの「依然として安定している」とされている。しかし当局は、乾燥した風と、41度に達する可能性のある気温上昇について、警告を発している。
ボルドー南西部に位置するル・バルプのブランディーヌ・サラザン市長は、前日に2件の火災が発生したことを受け、状況は「ますます厳しくなっている」と指摘。全員が「極めて警戒を強める」必要があると述べた。
画像提供, Mairie Le Porge/Facebook
アルカション湾東岸のラントン近郊でも、火災の再燃が報告された。
ジロンド県とランド県は、4段階ある警戒レベルのうち2番目に高い「オレンジ色」の熱波警報が発令されている16の県または地区に含まれている。
消防当局は、フランスの防衛・航空宇宙産業に関連する複数の施設を保護するため、ジロンド県で特別な措置を講じざるを得なくなった。いわゆる「セヴェソ指令」の指定施設には、ミサイルやロケット用の危険物を製造する工場などが含まれる。
スペインでは、マドリード周辺や東海岸のカステリョンで発生した火災では死者は報告されていない。一方で、南部セヴィリアの当局は、今月初めにアルメリアのロス・ガジャルドスで発生した火災で重度の火傷を負った女性が、病院で死亡したと発表した。
アルメリアの火災では、イギリス人やベルギー人のほか、アメリカ人、フランス人、スペイン人を含む14人が死亡した。
隣国ポルトガルの北東部、ヴィラ・レアル地区でも火災が発生している。
同国の民間防衛当局は公共放送RTPに対し、1キロメートルにわたる活発な火災前線が存在しており、ヴァルパソス近郊の浄水場とガス貯蔵所を厳重に監視していると述べた。