ICC脱退呼びかけ、AI改称、日米首脳会談――国連総会初日の注目の動き
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22 日に米ニューヨークで始まった国連総会では、アメリカのドナルド・トランプ大統領の言動に世界の関心が集まった。演説でイランに対して攻撃再開を脅し、グリーンランドへの米軍基地建設を宣言したことや、総会の傍らでイギリスのアンディ・バーナム首相と初公式会談をしたことなどが大きく報じられている。そのほかの目立った動きを、以下にまとめる。
米国の「力のメッセージ」を前面に
トランプ氏は国連を尊重していない。国連について、極左的な政策を押し付けていると非難している。一方で、国際的な発言の場として、国連を大いに活用している。
22日の演説では、自身の功績を誇示し、平和構築者としての役割を主張した。同時に、数々の露骨な脅迫をした。
イランは壊滅する可能性がある。麻薬密輸が疑われる小型船舶への攻撃は続けられ死者が出るかもしれない。キューバの政権は崩壊する可能性がある――。
メッセージは明確だ。トランプ氏が国益を守るために必要だと判断すれば、アメリカは依然として軍事力を行使する用意がある、と表明したのだった。
トランプ氏は、「アメリカの国力を再び示す」と述べ、自国の「比類なき軍事力」を誇った。
そして、「アメリカはもはや、西半球のいかなる場所においても、アメリカに対する脅威の足がかりがつくられることを許さない」と述べた。
トランプ氏は再び、「アメリカ・ファースト」の主張を、世界に向けて声高に表明したのだった。
AIの呼び名の変更を提案
トランプ氏は、ブランディングを好む傾向がある。この日の演説では、人工知能(AI)を「スーパーインテリジェンス(超知能)」(SI)と新たに呼ぶと表明した。
トランプ氏は、「『人工』という言葉からは偽物のような印象が生じる」と主張。「実際は偽物ではなく、素晴らしいものだ。ただ、注意が必要だ」と述べた。
そのうえで、 「スーパーインテリジェンス、SIの新たな世界へようこそ」と付け加えた。
トランプ氏はこれまで、AIの開発競争でアメリカが勝利しなければならないと主張している。先週は「AIで勝つ者が勝つ」と強調した。
同氏は断固として、政府による規制や新たな安全策の導入に反対している。その立場は、国連に集まった多くの人々と対立するものだ。
規制が必要だとする人々にとっては、外交の遅々としたペースがAIの急速な発展に追いつけるかが、問題になっている。
キューバを「破綻国家」と呼び代表団が退席
バーント・デブスマン・ジュニア・ホワイトハウス担当記者(国連)
トランプ氏は演説で、アメリカの隣国の一つのキューバを攻撃対象にし、「完全に破綻した国家」と呼んだ。そして、自らの政権は「キューバの状況における根本的な変化」を追求していると述べた。
トランプ氏が演説を続けるなか、キューバ代表団は総会の議場から退席した。
この1年間、トランプ氏はキューバの共産主義政権への批判を一段と強めている。この日の演説では、同政権が「途方もない圧力」にさらされており、「かつてないほどうまくいっていない」と主張した。
ただし、キューバにおける変化がどのようなものになると考えているのか、アメリカは詳細な見通しを示していない。
キューバのブルーノ・ロドリゲス外相は、トランプ氏の発言に怒りをあらわにし、同氏について「虚偽」を広めていると非難した。
ロドリゲス氏はXへの投稿で、「米政府は、キューバが完全な主権独立国家であり、その権利を有していることを受け入れられない」と書いた。
ICC脱退を呼びかける
トランプ氏は演説で、国際刑事裁判所(ICC)を「反米的」と非難した。そして、加盟する各国に対し、即時の脱退を呼びかけた。
120カ国以上が加盟し、戦争犯罪の捜査権限をもつICCをめぐっては、トランプ政権が「解体」を狙い、判事や主任検察官を含むICC幹部を次々と制裁対象にしてきた。
マルコ・ルビオ米国務長官は8月、ICCの赤根智子所長ら幹部を制裁対象にすると発表した。
ルビオ氏はその際、ICCを、「腐敗し、致命的に政治化された超国家的な裁判所であり、悪意をもって権限を乱用し、与えられた任務を逸脱している。我々は、国家主権に対する(ICCの)攻撃を容認しない」と非難した。
これに対してICCは、「各国がICCに付与した任務の遂行に尽力する裁判官、検察官、職員を標的とした措置は、法の支配を損なう」と声明で反論。「司法関係者が法の適用を理由に脅迫されるとき、危険にさらされるのは国際法秩序そのものである」と強調している。
高市首相と首脳会談
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トランプ氏はこの日、国連本部で各国首脳らと次々と会談。高市早苗首相とも会談した。
高市氏は、AI、半導体、重要鉱物などの分野において、日米両国の経済安全保障の「協力も進んでいる」と述べた。
高市氏はまた、日米関係のさらなる深化を期待していると述べ、トランプ氏もこれに同意した。
グテーレス氏が最後の総会演説
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この日の国連総会では冒頭、アントニオ・グテーレス事務総長が、任期中最後となる総会での演説をした。名指しはしなかったものの、超大国に対し、「自分たちの力がそれほど『超』ではないことを認識すべきだ」と訴えた。
グテーレス氏は「私たちの世界における亀裂は拡大している」と述べ、その具体例として、地政学的な対立、戦争、気候変動、AIなどを挙げた。
また、「人間はますます機械に権力を委ねつつある」と述べ、急速に進歩するAIに伴い、「人工エージェントが制御不能になり、殺傷力のある自律型兵器がSFの世界から軍事的な現実へと移行しつつある」と警告した。
グテーレス氏はさらに、私たちが「明らかに多極化の世界へと向かっている」とし、その形はさまざまなものになり得ると指摘。一つは、分断が進み、「緊張が高まり、不信感が深まる」世界だとし、もう一つとして、「国際法という共通の枠組みと共有されたルールのもとで、複数の影響力の中心が共存する世界」があると述べた。
そのうえで、私たちの未来は、「権力に関する四つの大きな試練」にどう対処するかで形作られると主張。それらの試練とは、戦争と平和を左右する権力、「富を集中させ不平等を助長する」権力、「気候の混乱を助長する」権力、AIによって生み出される権力に対するものだとした。