NY市場サマリー(30日)ドルまちまち、利回り低下 S&P横ばい
<為替> ドルはまちまちの値動きとなった。トランプ米大統領の関税措置が今後も何らかの形で継続されるとの見方から、月間でドルは対円で今年初めて上昇する見込みとなった。
ユーロは0.12%安の1.1356ドル。月間上昇率は0.27%と、2月以来最小の見込みとなった。
ドル/円は0.21%安の143.88円。月間ではドルは対円で0.6%上昇の見込み。上昇月となるのは昨年12月以来初めて。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りが低下した。トランプ米大統領が中国は関税を巡る米国との合意を破っていると非難したことを受け、米中貿易戦争激化への懸念が再燃。リスク選考度が低下したことで債券に買いが入った。
これを受け、米連邦準備理事会(FRB)は当面は様子見姿勢を維持し、9月までに段階的な利下げを再開するとの見方が裏付けられた。
終盤の取引で10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)低下の4.414%。一時は2週間ぶりの水準に低下した。2年債利回りは2.9bp低下の3.906%。30年債利回りは約1週間ぶりの水準に低下した後、4.926%と、やや上昇した。
月初からは10年債利回りは24bp、2年債利回りは29bp、30年債利回りは25bp、それぞれ上昇した。
来週も引き続き、米中の貿易交渉などトランプ米政権が掲げる関税措置の行方に市場は注目。米国の労働市場に関する経済指標も注目されている。
米金融・債券市場:
<株式> S&P総合500種は不安定な取引の中をほぼ横ばいで取引を終えた。ただ、月間では2023年11月以来の上昇率を記録した。ナスダックも23年11月以来最大の月間上昇率となった。
ただその後、中国の習近平国家主席と会談し見解の相違を解消することに期待していると表明したことを受け、株価は下げ幅を縮小した。
トランプ大統領の不安定な貿易政策が投資家を不安にさせ、株価は5月は不安定に推移したが、トランプ大統領の姿勢の軟化や好調な企業業績、落ち着いたインフレ指標により、S&P500は4月の安値から回復した。
米国株式市場:
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物 相場は、米中の貿易交渉の行方が注目される中、利益確定の売りやドルの堅調地合いを受け、反落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比28.50ドル(0.8 5%)安の1オンス=3315.40ドル。
NY貴金属:
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の増産観測が強まる中で売りが優勢となり、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は前日清算値(終値に相当)比0.15ドル(0.25%)安の1バ レル=60.79ドルだった。8月物は0.41ドル安の59.79ドル。月間では4.43%高。週間では1.20%安となった。
NYMEXエネルギー:
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