19歳で保有資産228億円に、トランプ米大統領の末息子・バロン(Forbes JAPAN)
ドナルド・トランプ米大統領に暗号資産の知識を手ほどきしたのは、彼の末息子バロン・トランプだった。そして今、ニューヨーク大学の2年生となったバロンは、まだ20歳になる前に巨額の富を築いている。 ■メディア戦略を助言する末息子バロン、父ドナルド・トランプを若年層の支持拡大に導く 「私にはバロンという名前の背の高い息子がいる。誰か聞いたことはあるか?」と、トランプが今年1月の就任イベントで冗談めかして言ったとき、身長が6フィート8インチ(約2メートル)の末っ子が立ち上がって観衆に手を振った。トランプは続けて、「『ジョー・ローガンの番組に出るべきだよ、父さん』って言ったのは彼なんだ」と誇らしげに語り、自身の若年層からの支持拡大に息子の助言が役立ったことを明かした。 ■19歳で暗号資産を米大統領に手ほどき、暗号資産企業WLFの共同創業者として関与 トランプはまた、自身の急速に拡大する資産の源である暗号資産についても、19歳の息子から徹底的に学んだと認めている。父に「ウォレットとは何か」を教えたバロンは、2024年の大統領選の約2カ月前に父と兄たちとともに暗号資産企業ワールド・リバティ・フィナンシャル(WLF)を共同設立した。 ほとんどの金融アドバイザーは、親を暗号資産の世界に引き込むよう顧客に勧めたりはしないが、自身の親が大統領に選ばれるような顧客も滅多にいない。しかし、トランプが大統領選で勝利すると、WLFは一気に爆発的成長を遂げた。フォーブスの推計によれば、この会社はトランプ家の資産を15億ドル(約2280億円。1ドル=152円換算)以上も押し上げ、その約1割にあたる1億5000万ドル(約228億円)がバロンの取り分となっている。 ■母メラニア夫人が婚前契約を見直し、息子の家業関与への道を開いた 2006年、父の3度目の妻メラニアとの間に生まれたバロンは、2015年に父がトランプ・タワーで大統領選への出馬を宣言したときにまだ9歳だった。大統領の子どもたちの中でも、特に表舞台に出ることが少ない彼は、2017年に父がホワイトハウスに移ってから数カ月後に、首都ワシントンに引っ越し、年間5万ドル(約760万円)以上の授業料がかかるメリーランド州の私立学校に通っていたと伝えられている。 2018年には、メラニアが婚前契約を見直し、息子がより多くの遺産を受け取り、家業に関与できるよう条件を改善したと、2020年刊行の彼女の暴露本『The Art of Her Deal』には書かれている。そして2024年、大学に進んだバロンは、父が3度目の大統領選に出馬した頃に初めてWLFの事業に加わり、いきなり大成功を収めた形だ。 ■トランプの名とプロモーションの提供を見返りに、トークン受領と収益の75%を家族が得る契約 トランプ家のWLFの持ち分を保有する「DT Marks Defi LLC(別名:Trump Marks Defi LLC)」は、2024年9月に「$WLFI」と呼ばれる暗号資産トークン225億枚を受け取った。同社は、WLFの暗号資産プロジェクトのプロモーション活動を担い、トランプの名前の使用を認めた見返りとして、同社の最初の1500万ドル(約22億8000万円)を超える収益の75%を受け取った。今年の年初の大統領としての財務開示資料によると、トランプはTrump Marks Defiの70%を所有しており、残りの30%を家族が保有している。同社の共同創業者に名を連ねているのは、トランプの長男のドナルド・トランプ・ジュニア、次男のエリック・トランプ、そしてバロンの3人であり、仮に3人で30%を均等に分けたとすれば、それぞれの持ち分は10%という計算になる(ただし、その後の取引でこの比率が変わっている可能性もある)。