トランプ氏、報復関税直撃の農家に訴え-「ちょっと辛抱してほしい」
関税が米農家の経営を圧迫し、3年目に入る苦境に追い打ちをかける恐れがある中、トランプ米大統領は国内生産者に辛抱を求めている。
既に中国は米政権の新たな関税賦課への報復措置として、大豆や豚肉、牛肉などの農産物に関税をかけると発表。カナダも、食肉や乳製品など農産物を含む約1070億ドル(約15兆9000億円)相当の米国産品を対象に対抗措置を打ち出した。メキシコは9日に発表する予定だ。
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貿易摩擦は、トランプ大統領の大票田である農家には打撃だ。だがトランプ氏は4日遅くの議会演説で、新たに発表した関税が、1期目に中国と結んだ貿易合意よりさらに良い結果をもたらすと表明した。
トランプ氏は演説で「これは若干の調整期間になるかもしれない」とし、中国による500億ドル規模の米農産品購入で「取引した際も、『ちょっと辛抱してほしい』とお願いし、彼らは辛抱してくれた。恐らくまた辛抱してもらうことになるが、今回はさらに良い結果になるだろう」と語った。
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米国は今週、中国産品に対する関税を20%に引き上げ、カナダとメキシコからの大半の輸入品に25%の関税を導入した。また米政権は、輸入される一部の農産品にも4月2日から関税を賦課すると表明した。食料輸入が急増し、米農業分野の貿易赤字が今年、490億ドルと過去最高を記録したことが背景にある。
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報復関税の影響で既にトウモロコシと大豆の価格は今年の上昇分が全て吹き飛んだ。種子や肥料、設備の経費が上昇する一方、作物が値下がりしていることで、ここ3年間の収入に下押し圧力がかっている農家には逆風だ。関税発動前の段階で、現物の作物の収入は2025年に3年連続の減少と予想されている。
Products below are some the biggest to incur fresh tariffs
Source: USDA
原題:Trump Says ‘Bear With Me’ as Tariffs Squeeze American Farmers(抜粋)