【独自】「何ひとつ依頼も圧力もかけてない」札幌市議、ノースサファリ巡り市に問い合わせ 元代表は同級生
2025年 3月19日 18:38 掲載
坂詰怜記者) 「動物園の入り口にはアクティビティを中止していると書かれた看板が置かれています。園の中を見ても利用客はおらず閑散としています」 無許可建築などが問題となっている、札幌市南区の民間動物園ノースサファリサッポロ。今年9月末までの閉園を発表していますが、営業は通常通り行っていました。そんな中、園内のアクティビティで事故が発生しました。 18日午後1時すぎ、スノーモービルが引っ張るバナナボートに乗っていた家族4人のうち、60代と40代の女性2人が走行中のボートから転落しました。警察によりますと、2人は病院に運ばれましたが軽傷です。 スノーモービルを運転していた20代の男性従業員は、警察の聞き取りに対しこのように話しています。 20代の男性従業員) 「スピードに怖がっていたので、減速したところ遠心力で落ちたのではないか」 警察は業務上過失致傷の疑いも視野に、運転していた従業員から話を聞くなどして、事故の原因を調べています。 大阪からの観光客) 「なんと、帰れというお告げだね。また来ますね」 園は19日、すべてのアクティビティの開催を中止しました。 東京からの観光客) 「(ノースサファリに)電話も通じないのよね。それだけスリリングってことでしょ。興味はあるよね」 19日に行われた市議会の予算特別委員会。無許可建築のノースサファリサッポロに対し、もっと強い態度で臨むことはできなかったのか、市の姿勢を疑問視する質問が相次ぎました。 札幌市・天野周治副市長) 「結果的に時間がかかったことについて拡大が見えてきた段階で、より強い措置をする余地があった」 そんな中、また新たな事実が明らかになりました。 これはHTBが情報公開請求で入手した、園を運営するサクセス観光の当時の代表と、市の動物愛護管理センターとのやりとりを記録した資料です。ライオンの飼育施設の追加工事について、必要な資料を園側が出さないことから工事を許可しないとする市に対し、当時の代表は電話でこのように迫っていました。 当時の代表) 「出したくないと言ったな、役所はそういう姿勢なのか」「そちらがそういう姿勢であるなら我々もそれに合わせた対応を検討する」 この電話から3日後、公明党の渡部泰行市議が追加工事について「許可を出してくれないと相談があったが、どのような対応をしているか」などと、市の動物愛護管理センターに2回電話をしていたことが明らかになりました。元代表は市議を使って工事の許可を得ようとしたのでしょうか。HTBの取材に対し渡部市議は。 公明党・渡部泰行札幌市議) 「サクセス観光さんから相談があり札幌市に複数回電話した。私の選挙区でもあり、(元代表は)同級生なので市民相談のひとつのつもりだった。市に何ひとつ依頼も圧力もかけていない」 圧力ではないと話した渡部市議。札幌市はその2カ月後、「指導に従った」として追加工事の許可を出しています。
動物の移動など様々な問題を抱えるノースサファリサッポロ。遅くともあと半年あまり営業を続ける予定です。
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