古巣横浜FM封じたC大阪DF畠中槙之輔、ゲームキャプテン担当は香川真司の「粋な計らい」
[5.11 J1第16節 C大阪 1-0 横浜FM ヨドコウ]
ゲームキャプテンの大役を担い、古巣の横浜F・マリノスを完封した。試合後、セレッソ大阪のDF畠中槙之輔は「長い間一緒に戦った相手との試合だったのでとてもワクワクしていたし、監督と真司さんの粋な計らいでキャプテンをさせてもらったので、すごく気合も入って楽しめた」と笑顔で振り返った。
畠中にとって横浜FMは、昨季まで6年半にわたって所属し、2度のJリーグ制覇を成し遂げた思い出の古巣。その縁には周囲も配慮を見せていたようで、この日の朝に副キャプテンを務めるMF香川真司がアーサー・パパス監督に「シンに任せてほしい」と進言したことで、ゲームキャプテンの大役が実現したのだという。
キックオフ直前には元チームメートのMF喜田拓也主将とコイントスで相対し、「僕も不思議な思いだった」という畠中。それでも「試合に入ってしまえば僕はセレッソの選手なので、そんなに意識はしなかった」と気負いすぎることなく、攻守に安定したパフォーマンスを続けていた。
前半は攻撃での貢献が目立った。畠中は前々節・京都戦(◯3-2)での3バック導入以降、3CBの中央からボランチの位置に顔を出し、相手のプレッシングを引きつける役目を担当。「流れ的に僕があそこでボールを握って、誰かを引きつけられれば次の選手がフリーになる。誰かしらがやらないといけないなら自分がやれれば」。足元の高い技術を持つ畠中にはまさに適任のタスクだ。 この日は不調脱却を狙う横浜FMがこれまでよりもプレッシング志向を強めていたなか、その狙いを削ぐ形となった畠中。試合後には「自分の特徴もああいうところで怖がらずにボールを受けられるところだと思うし、相手の嫌なところにボールを運ぶという意味では前半は特にできたと思う」という手応えを口にした。 また後半は度重なるクロス攻勢に襲われるなか、守備でチームを助けた。「キャプテンだからどうこうと変えることは特にないし、いつも僕がリーダーシップを持ってディフェンスラインを支えると思ってやっている。今日は0失点ということで上手くできたんじゃないかと思う」。ゲームキャプテンの大役を担うにあたっても、DFリーダーとしての役目に集中することで平常心のままプレーできていたようだ。 そんな畠中は試合中、横浜FMサポーターからのブーイングを受け続けていたが、試合後の挨拶では拍手で迎えられていた。「試合中(のブーイング)はあまり意識していなかったけど、挨拶に行った時は拍手で迎えてくれたし、過去のユニフォームを持ってきてくれたサポーターもたくさんいたので嬉しかった」。そんな古巣は現在J1最下位で苦戦中。「本来はもっとマリノスも強いと思うので、うまくいっていないなかだったけど、こういう勝負の舞台で勝ててよかった」と調子を気遣いながら勝利を喜んだ。 (取材・文 竹内達也)●2025シーズンJリーグ特集▶お笑いコンビ・ヤーレンズのサッカー番組がポッドキャストで配信中