ドル/円はレンジ相場か、米財政懸念・関税交渉が波乱要因=来週の外為市場

 5月23日 来週の外為市場では材料探しのムードの中、米国の財政懸念などからドルの上値が引き続き重いレンジ相場となる見通し。写真は2016年1月撮影(2025年 ロイター/Jason Lee)

[東京 23日 ロイター] - 来週の外為市場では材料探しのムードの中、米国の財政懸念などからドルの上値が引き続き重いレンジ相場となる見通し。各国の財政規律に市場の目が向く中で下振れリスクを抱えつつ、米国の関税交渉では日本だけでなく、中国や欧州との交渉でも着地点がまだ見えていない状況だ。

予想レンジはドルが142━146円、ユーロが1.115―1.145ドル。

りそなホールディングスのシニアストラテジスト、井口慶一氏はレンジ相場が続く見通しとした上で、下振れリスクを抱えながら上値が重い展開になると話す。ムーディーズによる米国債の格下げ以降、投資家の目が財政に向きやすい状況で米減税法案の話が出てきたため、「減税の話を市場が好感しにくい」との見方を示している。

日米の関税交渉を巡っては、赤沢亮正経済再生相が30日を軸に4度目の訪米を検討している もっと見る 。日本だけでなく、中国や欧州連合(EU)との交渉の着地点も注目になる。関税交渉が進展すれば株価の上昇に伴ってリスク選好のドル買い/円売り、難航ならその逆の流れとなるとみられている。

米国では30日に個人消費支出(PCE)価格指数の発表を予定しており、日米金融政策にも目線が向いやすい。米英が週初に休場で、週前半は材料難となる可能性があるものの、週後半の指標発表で「(景気低迷の中で物価高に陥る)スタグフレーションの懸念がどこまで出てくるか」(別の国内銀の為替セールス担当者)も注目となる。

日本では、30日に5月の東京都区部消費者物価指数(CPI)など各種指標の発表も控える。日銀の植田和男総裁、氷見野良三副総裁の発言機会も予定されている。

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