米一戸建て住宅着工、8カ月ぶり低水準 3月は14.2%減の94万戸
[ワシントン 17日 ロイター] - 米商務省が17日発表した3月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比11.4%減の132万4000戸だった。ロイターがまとめた市場予想の142万戸を下回った。このうち、一戸建ては14.2%減の94万戸で、8カ月ぶりの低水準だった。
住宅ローン金利は低下傾向にあるものの、トランプ米政権の関税措置による輸入資材の値上がりがコスト上昇につながっている。住宅着工件数は今後、さらに減少する可能性がある。トランプ大統領が事実上、全ての外国製品に輸入関税を課したことで、インフレ再燃への懸念が高まっており、米国経済の先行きに暗い影を落としている。
5戸以上の集合住宅の着工件数は37万1000戸と横ばいだった。
一方、住宅建築許可件数は1.6%増え、148万2000戸だった。集合住宅は10.1%増の44万5000戸だったものの、一戸建ては2.0%減の97万8000戸だった。
建設許可を受けたものの未着工となっている一戸建て住宅は6.5%増の14万8000戸と、約3年ぶり高水準。
建設中の一戸建て住宅の在庫は1.6%減の63万2000戸と、2021年2月以来の低水準。
サンタンデールUSキャピタル・マーケッツのチーフ米国エコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「関税に関するニュースが出る前から住宅需要は低調で、過剰な在庫が存在していた」と指摘。「このため、着工件数の減少は驚くべきことではない。関税政策の混乱で景気見通しに対する不確実性も増大している」と述べた。
パンテオン・マクロエコノミクスのシニア米国エコノミスト、オリバー・アレン氏は「新築住宅建設の大幅な減少で、経済に対する向かい風は向こう1、2四半期にかけて一段と強くなる」との見方を示した。
全米住宅建設業者協会(NAHB)が16日発表した調査では、一戸建て住宅建設業者の景況感は4月も低調だった。「建築業者の大半が資材の価格上昇を報告した」としており、関税措置の影響が既に現れていると指摘した。
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