浮遊大陸? いいえ、雲の海から顔を出す「火山」なんです

Image: Joshua Stevens / NASA Earth Observatory

天空の浮遊大陸にしか見えないな、これ。

2022年にランドサット8号の陸域イメージャ(Operational Land Imager)が捉えた写真(トップ画像)は、まるで浮遊大陸が雲の中を飛んでいるようです。

有名なイタリアの「あの火山」

信じられないかもしれませんが、実はこの衛星画像、空中浮遊大陸じゃなくてイタリアのナポリから南東に約12キロの場所にあるヴェスヴィオ山なんです。

山頂付近の円形の部分は、古火山の「ソンマ山」が崩壊してできたカルデラの名残で、その内側に新しく形成されたのが、現在のヴェスヴィオ山です。

ナポリ周辺の人口は約300万人で、そのうち80万人がこの火山のふもとで生活していることから、世界有数の危険な火山とも言われています。

トップ画像は一部を拡大しているんですけど、引いた全体像を見ると、さらに浮遊大陸みが増すんですよ。とくとご覧あれ。

Image: Joshua Stevens / NASA Earth Observatory

火山の右上方向の雲がなめらかで、その反対側のうねりが細かくなっているものだから、雲の中を右上から右下に向かって浮遊大陸が飛んでいるように見えます。というか、そうにしか見えません。いや、そうあってほしいと願う心がそう見せるのかも。

噴火でポンペイを飲み込んだ

有名な西暦79年の噴火では、ヴェスヴィオ山からの火砕流ポンペイやヘルクラネウムといった都市を一瞬にして飲み込みました。そうした歴史から、19世紀にはこの地域に世界初の火山観測所がつくられました。現在も、徹底した観測や研究が進められています。

また、現在も調査が進められているポンペイなどの遺跡からは、考古学的発見続いています。

そんな過去が現実離れした印象を抱かせるのか、この衛星画像に写っているのがヴェスヴィオ山と知ると余計に荘厳さが増して、浮遊大陸なんじゃないかと思っちゃいます。

雲のうねりと火山の写り方が油絵チックなのもまた、幻想的なイメージを強くさせるのかもしれないですね。有名な美術館に展示されていても違和感がなさそうです。

Source: NASA Earth Observatory

Reference: Live Science

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