「高さ世界一」の鉄道橋開通、モディ印首相が式典出席 カシミールの係争地

2024年7月6日に撮影された写真。チェナブ橋の全体的な眺めを捉えている/Tausee Mustafa/AFP/Getty Images

(CNN) インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方で6日、高さ世界一の鉄道橋が開通し、インドのモディ首相が式典に出席した。カシミール地方のインド支配地域では数週間前、観光客虐殺事件をきっかけに隣国パキスタンとの短い衝突が発生したばかり。

モディ氏がカシミール地方のインド支配地域を訪れるのは、印パ間で短期衝突が発生してから初めて。インドは虐殺の責任は隣国パキスタンにあると主張し、パキスタンは否定したものの、共に核武装する両国が4日間にわたってミサイルやドローン(無人機)、砲撃で応酬する事態になった。

数十年の歳月を経て完成したアーチ形のチェナブ橋は、同名の川からの高さが359メートル。これはエッフェル塔の頂上より29メートル高い。

総工費1億6000万ドル(約232億円)超、全長1315メートルの橋は、カシミール地方とインドの他地域を初めて結ぶ鉄道の一部となる。

ヒンドゥー至上主義を掲げるモディ政権は2019年、カシミール地方に独自の法律を制定する権限を認めていた憲法条項を撤廃するなど、イスラム教徒が多数派を占めるこの地方を他地域と統合する動きを進めてきた。

モディ首相が参加する鉄道橋開通式を前に、カシミール地方インド実効支配地域の駅では装飾を施した旅客列車が見られた=6日/Tauseef Mustafa/AFP/Getty Images

カシミール地方はインド、パキスタン、中国の3カ国が領有権を主張する。3カ国とも一部を実効支配しており、カシミール地方は世界有数の軍事化された地域となっている。

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