NY市場サマリー(11日)株反発、ドル下落 10年債利回り大幅上昇
<為替> ドルが主要通貨に対し下落し、スイスフランに対しては10年ぶり、ユーロに対しても3年ぶりの安値を付けた。米中による関税の応酬を背景に、安全資産としてのドルに対する信頼が揺らいでいる。
終盤の取引で、ドル/スイスフランは0.9%安の0.81650フラン。10日に記録した15年1月以来の安値から一段安となった。週間の下げとしては、22年11月以来の高さとなる見通し。
ドル/円は昨年9月以来の安値を付けた後、0.51%安の144.05円で推移した。週間では2月初旬以来の大幅な下げとなる勢い。
主要通貨に対するドル指数は0.56%安の99.958と、22年4月以来の安値を記録した。
ユーロ/ドルは一時22年2月以来の高値を付けた後、1.25%高の1.134050ドル。週足では3月初旬以来の大幅な上昇となる見込み。
ユーロはオフショア人民元に対しても急伸し、11年ぶりの高値を記録した。
一方、ドルはオフショア人民元に対し0.45%安の1ドル=7.2807元。
NY外為市場:
<債券> 10年国債利回りが週間では過去20年余りで最大の上昇幅を記録する見通しとなった。トランプ大統領の二転三転する関税政策は、世界的な市場混乱と売り圧力を招いている。
アナリストらによると、ヘッジファンドやその他の資産運用会社は今週、マージンコール(証拠金請求)やボラティリティーを受けた損失のために債券を売却したとみられる。
外国人投資家による債券売りが進んでいるとのうわさも市場の懸念を高めている。
指標となる10年国債利回りは8.6bp上昇の4.478%。一時、2月13日以来の高水準となる4.592%を付けた。週間では2001年以来の上昇幅となる見込み。
30年債利回りは0.8bp上昇の4.856%。週間では1987年以来最大の上昇幅となる見通しとなった。
2年債利回りは10bp上昇の3.947%。週間では昨年9月以来の上昇率となる見込み。
関税措置により経済が減速すれば、連邦準備理事会(FRB)が早期に利下げする可能性があるとの見方が強いことから、短期債利回りは長期債に比べて比較的低い水準で推移している。
2年債と10年債の利回り格差は52bpと3bp縮小した。
米金融・債券市場:
<株式> 反発して取引を終えた。米銀大手の四半期決算が好調だったことに加え、ボストン地区連銀のコリンズ総裁が連邦準備理事会(FRB)は金融市場の機能を維持する準備があると表明したことで安心感が広がり、トランプ米大統領の大規模関税措置で乱高下した波乱の1週間を上昇で締めくくった。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.47対1の比率で上回った。ナスダックでも2.01対1の比率で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は191億9000万株。直近20営業日の平均は187億4000万株。
米国株式市場:
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、安全資産としての金買いが活発化し、4日続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比67.10ドル(2.11%)高の1オンス=3244.60ドルと、中心限月の清算値ベースで前日に続き、史上最高値を更新した。週間では6.90%高となった。
NY貴金属:
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米関税政策を巡る不確実性を嫌気した売りが一服し、反発した。米国産標準油種 WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.43ドル(2.38%)高の1バレル=61.50ドル。週間では0.79%下落した。6月物は1.27ドル高の60.90ドルだった。
NYMEXエネルギー:
LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab