ディフェンシブ株は「貿易戦争のヒーロー」-トランプ時代の投資戦略
- トランプ大統領就任後にS&P500種のディフェンシブ銘柄は上昇
- 第1次トランプ政権の貿易戦争時もディフェンシブ銘柄は好調
米国が仕掛けた今回の貿易戦争を巡る状況は、6年前と異なるように見えるかもしれない。だが、投資家が採用すべき株式投資戦略は以前と同じと思われる。つまり、ディフェンシブな姿勢を保ち、高リスク銘柄を避けることだ。
少なくとも第2次トランプ政権の発足後、その傾向が顕著になっている。S&P500種株価指数のディフェンシブ銘柄はここ3週間で2.4%上昇。一方、景気循環株は1.2%下落した。
安定した配当や強固なバランスシート、小さい株価変動といった特徴で知られる米企業は、第1次トランプ政権の貿易戦争時にも需要が高かった。
トランプ氏が2018年6-9月に中国製品への関税を発表した際、こうしたディフェンシブ銘柄はS&P500種を上回るパフォーマンスを記録。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデータによれば、S&P500種構成銘柄の2割を占める変動が比較的小さい銘柄は、ボラティリティーの大きな銘柄を6倍上回るパフォーマンスを示した。
BIのアナリスト、クリストファー・ケイン氏は「一般的に市場参加者は不確実性が高い場合、こうした比較的ディフェンシブなセクターを選好する傾向がある」と指摘。「関税の脅威が引き続き高まった場合、この傾向が再び顕在化する可能性がある」との見方を示した。
エバコアISIの株式・クオンツ担当チーフストラテジスト、ジュリアン・エマニュエル氏は、ボラティリティーが小さく、自社株買いに積極的な銘柄の買いを勧めている。
同氏はこうした銘柄を「貿易戦争のヒーロー」と呼び、H&Rブロックやシグナ・グループ、アップルなどを自身の買い入れリストに含めている。
原題:Buy ‘Defensive’ Stocks Is Tested Battle Plan for Trump Trade War(抜粋)