AI関連株への利食いが強まる可能性/オープニングコメント(フィスコ)

8:39 配信

 5日の日本株市場は、人工知能(AI)関連株を中心に利益確定の売りが広がりやすく、不安定な相場展開になりそうだ。4日の米国市場はNYダウが251ドル安、ナスダックは486ポイント安だった。ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの最高経営責任者(CEO)がAIブーム後の市場の調整を警告したことが重荷になった。また、著名投資家がエヌビディアなどに弱気ポジションを組成していることが明らかになったことも売りに向かわせた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比310円安の51200円、円相場は1ドル=153円60銭台で推移している。

 日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まりそうだ。前週までの大幅な上昇に対する過熱感からの調整は意識されていたが、上昇ピッチが速かった分、調整幅も大きくなりやすく、押し目待ち狙いの買い意欲を後退させそうである。また、決算発表が本格化するなか、昨日は東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、ファナック<6954>は終日堅調だった。東証プライムの値上がり銘柄数は過半数を占めていた。ただし、アドバンテスト<6857>とソフトバンクG<9984>の指数インパクトが大きいが故に日経平均株価の下落につながった形である。

 本日もアドバンテストとソフトバンクGの動向を睨みながらの相場展開になりそうであり、両銘柄の弱さが目立つ局面においては先物市場で仕掛け的な売りが入りやすくなり、これがインデックスに絡んだ売りに向かわせることで相場全体の弱さにつながる可能性がありそうだ。日経平均株価はボリンジャーバンドの+2σに沿ったトレンドを形成していたが、前日の下落によって+1σ(50500円)水準が意識されてくる可能性がある。

 もっとも、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下落が見込まれる一方で、決算発表が本格化するなかで、好決算銘柄での個別物色に向かわせることになろう。昨日の引け後に発表した決算では、インソース<6200>、ジオリーブG<3157>、ティラド<7236>、キッセイ薬<4547>、ほくほく<8377>、ヤマハ<7951>、ポバール興業<4247>、LINE ヤフー<4689>、丸文<7537>、日本精工<6471>、パーカー<9845>、東和銀<8558>、サンメッセ<7883>、テーオーシー<8841>、日ハム<2282>辺りが注目される。《AK》(マーケット概況)

フィスコ

最終更新:11/5(水) 8:39

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