ニューヨーカーが語る"社会主義市長"マムダニ就任半年の通信簿(週プレNEWS)

今年1月に米ニューヨーク市長に就任したゾーラン・マムダニが掲げるのは、民主主義を通して社会主義を実現しようとする政治思想「民主社会主義」だ。土地などの資産を国や自治体が管理し、貧富の差をなるべく小さくする社会を目指す社会主義は、規制をなくし、自由な競争をもとに経済を発展させる資本主義のアンチテーゼと言える。 【写真】家賃の高騰が問題視されていたニューヨークの集合住宅ほか そんな"アメリカっぽくない市長"は、就任から半年がたった今、ニューヨーカーたちからどのように評価されているのだろうか? アメリカで活動する日本人スタンダップコメディアンが現地で徹底聞き取り! * * * 【初めて尽くしの市長】 今年6月、NBAのニューヨーク・ニックスが1973年以来となる優勝を果たした。53年ぶりの栄冠に、ニューヨークは街中に大量の紙吹雪が舞い、行き交う車がクラクションで祝砲を上げるお祭り騒ぎとなった。そんなニューヨーカーたちの歓喜の中心にいたのは34歳の若き市長、ゾーラン・マムダニだった。 「ここはオレたちの街だ! そして(優勝したのは)オレたちのチームなんだ!」 祝賀パレードでマイクを握ったマムダニが、そう力強く語りかけると、詰めかけた観衆からは大声援が上がった。 その様子をバーのテレビで見ていたニューヨーク在住30年のエドワードさん(男性、47歳)は、目を細めてこうつぶやいた。 「やつは必ずニューヨークをいい街に戻してくれるはずだ」 今年1月、第112代ニューヨーク市長に就任したゾーラン・マムダニ。就任から約半年がたった今、自身が掲げた公約は達成されたのか。そして実際に市民の暮らしは上向いたのだろうか? 現地ニューヨークでのインタビューをもとに、現時点でのリアルな評価をお届けしたい。 * * * ゾーラン・マムダニは世界的に著名な政治学者のマフムード・マムダニと、アカデミー賞にもノミネートされた映画監督であるミーラー・ナーイルの長男として91年にアフリカ・ウガンダで生まれた。 7歳の頃ニューヨークに移住し、大学卒業後は低所得者向け住宅相談員として勤務した経験を持つ。2020年にニューヨーク州議会議員として当選を果たすと、SNSを駆使する草の根的な政治運動で若者を中心に人気を博し、ついには市長選に立候補した。  25年の予備選で、大本命と目されていた元ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモを破ったことで全国的な知名度を獲得すると、本選でも勝利を収め、今年1月1日に市長に就任。 史上初の「イスラム教徒」で、初の「インド系」にして初の「ウガンダ生まれ」、そして初の「ミレニアル世代(81年から96年頃に生まれた人々のこと)」という初めて尽くしの市長となった。 先述の住宅相談員としての経験から、「家賃の高騰でニューヨークにはもはや〝普通の〟人々は住めなくなった」ことを問題視し、とりわけ市内の住宅問題を政策の根幹に据えた。 ほかにも、食料や公共交通、保育など、人々の「暮らし」に関わるトピックに重点を置く姿勢が特徴的だ。 富裕層への増税をはじめ、公共サービスの拡充や、医療や交通、教育への公的投資を積極的に行なうことを目指す姿勢は、「民主社会主義者(Democratic Socialist)」とも呼ばれる。

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