ゼレンスキー氏は戦争終結に向け取引準備すべきだ-トランプ氏

Josh Wingrove、Akayla Gardner

  • ロシアが占領した地域を既成事実化する和解案推し進める可能性示唆
  • 米国製長距離ミサイルを使用したロシア領内への攻撃を再度批判

トランプ次期米大統領は16日、ロシアのウクライナ侵攻を終結させるためウクライナ自身が取引をまとめる必要があると述べた。トランプ氏がロシアに占拠されているウクライナ領土の価値を重要視せず、占領地域を既成事実化する和解案を推し進める可能性があらためて示唆された。

  トランプ氏はフロリダ州パームビーチの私邸「マールアラーゴ」での会見でウクライナのゼレンスキー大統領について、「彼は取引を行う準備をすべきだ。それが全てだ」と発言。「取引が必要だ。あまりにも多くの人が殺されている」と語った。

  トランプ氏はロシアの侵攻により破壊された都市の再建には1世紀かかるだろうと述べ、領土奪還というウクライナの望みを意に介さない姿勢を示した。また、ウクライナが米国製長距離ミサイルを使用してロシア領内を攻撃したことを再度批判。バイデン政権が許可したこの戦略の延長に次期政権が反対する可能性が高まった。

ニューヨーク市で会談したゼレンスキー氏(左)とトランプ氏(9月27日)

  トランプ氏はウクライナについて、「彼らが自分たちの領土を取り戻したいと言うのはいいが、都市はほとんど破壊されている」とし、「幾つかの都市は建物が全く残っていない。つまり『国を取り戻す』と言ったとしても、取り戻すものがなくなっている。再建には110年かかるだろう」と話した。

  この発言は、次期政権下で米国のウクライナ支援が大幅に削減されるか、あるいは打ち切られる可能性をあらためて示した。

  トランプ氏はウクライナ戦争について、双方で「天文学的」な数の兵士が犠牲になっている「ひどい戦争」だとし、「私が大統領だったなら、この戦争は決して起こらなかった」とあらためて主張した。

原題:Trump Says Zelenskiy Should Prepare to Make Deal to End War(抜粋)

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