FA加入の松本剛は「熱烈」な巨人ファンだった!少年時代、埼玉から年間20試合以上東京ドームで観戦のガチ勢
日本ハムから国内フリーエージェント(FA)権を行使して巨人入りした松本剛外野手(32)が27日、都内のホテルで入団会見に臨み、史上3人目の両リーグ首位打者、自身初の全試合出場を目標に掲げた。契約は2年総額2億5000万円(推定)で、背番号は「9」に決定。22年に打率3割4分7厘を記録したヒットメーカーは幼少期から熱烈なG党で「打率3割を目指したい。レギュラーをつかみ取る」と14年ぶり日本一に貢献することを誓った。
うれしくて仕方がなかった。松本は少年時代のように、まばゆい笑顔で憧れのユニホームに袖を通した。小学生の頃は、巨人の帽子にTシャツを着て登下校。松井秀喜さんの大ファンで、多い時は年間20試合以上、埼玉から東京Dに足を運んだ。そのチームに必要とされてのFA加入。無数のシャッター音を浴びながら、心の底から喜びを語った。
「本当に熱烈なジャイアンツ・ファンで育ってきた。自分が入れる…。夢にも思っていなかったことが実現した。僕の巨人の一番の印象は素直にメチャクチャ強い。そこに入れるうれしさがすごくありますし、もう一度、常に強いジャイアンツに。その一員になりたい」
ネクタイは球団カラーのオレンジ。自宅で即決だった。22年に出場117試合で137安打、右打者で日本ハム球団初の首位打者を獲得。移籍1年目のターゲットには、初の全試合出場、11年内川聖一以来、史上3人目となる両リーグ首位打者を定めた。
「(タイトルへの思いは)もちろんある。ここ数年、数字が残っていなくて守備を評価していただいている部分がありますけど、僕は打撃で数字を残して試合に出られるようになった。もう一度打率にこだわりを持ちたい。3割を目指したい」
背番号は清水隆行、亀井善行ら強打の外野手が背負ってきた「9」に決定。「9番と言えば清水さん、亀井さんのイメージ。正直『9番だったらうれしいな』というのが自分の中であった。その番号を背負わせていただいて、レギュラーとして引っ張っていきたい」。移籍か残留か、心が大きく揺れる時、最初に声をかけてくれたのが巨人だった。
阿部監督からは秋季キャンプ中に直接電話をもらい「来季力になってほしい」とラブコール。「自分を鍛え直してチャレンジしたい」と最後の決め手になった。伝統の9番を自分がもらっていいのか。亀井コーチに連絡すると喜んでくれた。「頑張れ」がうれしかった。
来季の外野争いはほぼ白紙。14年目の今季は故障や若手の台頭もあり66試合で打率1割8分8厘に終わったが、22年に2ストライク後の打率が両リーグ最高の2割9分2厘だった対応力、小技にも自信がある。抜群の打球判断と堅実な守備、野球IQを生かした走塁面でも新風を吹かせられる存在だ。
「数字を残すこと。ふがいないシーズンを送っている中で声をかけていただいて今すごく、オフのモチベーションが高い位置にある。丸さんもいらっしゃいますし、若手もレギュラー取りに闘志を燃やしている。絶対負けないように」
支えてくれた両親も「夢をかなえたね」と巨人での再出発を喜んでくれた。「早く東京Dでプレーしたい。日本一になりたい」。全盛期はここからだと言わんばかりに、逆襲を誓った。(堀内 啓太)
◆剛に聞く ―オレンジ色のネクタイは巨人を意識して。 「もちろんです。初めて着けた色ですけど、意外に似合ってるかなと思っています(笑)」 ―巨人の選手と連絡は。 「坂本(勇人)さんとは一度食事に行かせていただいたことがありまして(今回)連絡をさせていただきました。『来季から一緒にプレーしますのでよろしくお願いします』と言ったら『何でも分からないことあったら聞いてくれよ』と。うれしかったです」 ―日本ハムの新庄監督から移籍にあたって言葉は。 「『毎試合、毎打席チェックするからな』という言葉をいただいて、新庄監督らしいというか野球が大好きな方なので、僕のことをすごく応援してくださると言っていただけたのでよかったです。恩返しできたらなと思います」 ―セ・リーグの印象は。 「野球が違うなと感じますし、交流戦ぐらいしかセ・リーグのチームと対戦していないので、もっともっと深い部分を知りたい。細かい野球、すごく小さいところまでこだわってプレーしている印象があります」 ―日本ハムファンへ。 「本当に北海道で僕は育てていただいて、ファイターズでここまで成長させていただいたので感謝の気持ちでいっぱいです」 ―来季の目標を。
「日本一を僕は(16年に)ファイターズで経験していますけど、自分が主力として出ては経験できていない。日本一になりたいです」