16Vが到着、残り64機の完納は2028年になる見通し
台湾は2026年末までに新規発注したF-16C/D Block70(マーケティング上の名称はF-16V)を66機受け取る予定だったのだが、現在までに引き渡されたのは複座型のF-16D(機体番号6831)と単座型のF-16C×2機(機体番号6727と6728)だけで、そのうち単座の2機が10月2日に台湾へ到着した。
参考:賴清德
ロッキード・マーティンは2017年「テキサス州フォートワースでF-35を増産するため、同じ敷地にあるF-16の最終組立ラインをサウスカロライナ州グリーンビルに移転する」と発表、2017年11月にイラク向けのF-16IQ(Block 50/52ベースの能力制限バージョンでAIM-120やAIM-9Xを運用できない)最終号機を出荷した後に移転が始まり、17ヶ月後の2019年4月にグリーンビルの最終組立ラインが稼働を始めてF-16C/D Block70/72(マーケティング上の名称はF-16V)の生産が始まった。
出典:Lockheed Martin
2019年4月までにバーレーン(16機)とスロバキア(14機)から、2020年4月までにブルガリア(8機)、台湾(66機)、モロッコ(25機)から、2023年にもブルガリアから第2バッチ分として追加発注(8機)が舞い込み、最初に受注したバーレーン向けの納入開始は2020年に予定されていたものの、COVID-19流行の影響で9ヶ国470社(主翼、垂直尾翼はIAIが、中央胴体、後部胴体、コックピット構造、コックピット側面パネルはPZLが生産を担当)で構成されるサプライチェーンが大混乱に陥って納入開始は大幅に遅延してしまう。
2026年4月にペルーから12機(12機の追加発注も計画中)の発注を獲得し、2026年9月時点でバーレーン(16機)、スロバキア(14機)、ブルガリア(8機)向けの納入はほぼ完了しているが、台湾、モロッコ、ブルガリアの第2バッチ分は依然として2年から3年の納入遅延に直面しており、台湾向けのBlock70は複座型のF-16D(機体番号6831)が2025年3月にグリーンビル工場から出荷され、12月29日の初飛行を経て2026年6月にフォートワースに移動し「2026年9月末までに台湾へ移送する」と鍾国防副部長が説明していたが実現しなかった。
その代わりに単座型のF-16C Block70×2機(機体番号6727と6728)が10月2日に台湾へ到着し、F-16A/B Block20からのアップグレードではなく、新造のBlock70が初めて台湾に到着したことになり、頼清徳総統は「本日、米国から調達したF-16V Block70の最初の2機が台湾に到着した。台湾海峡の領空を防衛し、自由と平和を守る台湾空軍に新たな戦力が加わることを歓迎する。これは台湾の防空戦力向上における重要な進展であり、自己防衛力を強化し、実力によって平和を確保するという我々の確固たる決意を示すものだ」と述べている。
本来なら2026年末までに66機の納入を完了する予定だったので「現時点で台湾に到着したのが単座2機のみ」というのは大幅な遅れだが、いつまでに残りの64機(単座54機+複座10機)が台湾に到着するのか不明で、報道ベースでは「完納は2028年になる」という見通しが一般的だ。
ちなみにL3ハリス製の内蔵式電子戦システム=AN/ALQ-254 Viper Shieldは生産が遅れているため、台湾に到着した2機のF-16C Block70にはViper Shieldが搭載されていない。
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※アイキャッチ画像の出典:賴清德