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 ドジャースの佐々木朗希(23)が29日(日本時間30日)本拠地ドジャースタジアムでのタイガース戦に米国初先発したが、押し出しを含む4四球の大乱調で2点を失い2回を持たず61球で降板した。その後、逆転してチームは開幕5連勝を飾ったが、全米のSNS上では、佐々木の評判倒れの結果に、ファンの意見が批判と擁護の真っ二つに割れた。

 「ドジャースはストライクの投げ方を教えなかった」

 佐々木が東京ドームでのカブス戦に続き、全米デビューとなった本拠地でのタイガース戦でも、4四球で、しかも2試合連続で押し出し四球を与える大乱調で2失点して2回を投げ切ることができず、わずか61球で降板を告げられた。カブス戦の5四球と合わせると9四球の大荒れ状態。MLB公式サイトによると、ドジャースがロサンゼルスに本拠地を移転して以降でキャリアの最初の2度の先発で9個以上四球を記録したのは、1964年のビル・シンガー(14イニングで12四球)に次ぐ史上2番目のワースト記録だという。 東京ドームでは、最速161.7キロをマークしてファンをうならせたが、タイガース戦での最速は155.9キロで、悪いなりにドジャースタジアムのファンを驚かせるほどのインパクトを与えることはできなかった。全米のSNSでは、批判と擁護の声が真っ二つに分かれた。 米スポーツメディア「アスロンスポーツ」は、そこに焦点を当てて、様々なSNS上の意見を紹介している。「佐々木ロキがドジャースに行ったのは、彼らが自分をより良く育ててくれると信じていたからだ。だが、残念なことに、ドジャースは彼にストライクを投げることを教えなかった。ほとんどのメジャーリーガーは日本人選手よりもプレートの規律が優れている」 制球難を皮肉る声に加えて「佐々木はAAAに送り返される。彼はまだメジャーに行く準備ができていない」という辛辣な意見もあったという。「すでにタオルを投げている一部のドジャースファンはがっかりしている。今年、彼に時間と忍耐を与えるために何が起こったのですか?」という声もあった。 だが、一方で同サイトは「すべてのフィードバックが否定的だったわけではない。多くのドジャースファンは佐々木を擁護して忍耐を求めた」として「佐々木の(罵倒)は間違っている」「ストライクを投げればいいんだ!」という意見を紹介した。

「ロウキプロジェクトは始まったばかりだ。彼は自分を見つけるだろう。もしかしたら新しい投球を開発するかもしれない。レッツゴー!ドジャース」

 また米スポーツサイト「エッセンシャリ―スポーツ」も「佐々木のドジャーススタジアムデビュー戦が、突然終了すると、ファンは複雑な感情でいっぱいになった。マウンドで大々的に宣伝された有望選手を目の当たりにしたときの興奮は明らかだったが、序盤の苦戦は多くの人が、何が悪かったのかと疑問に思った。SNSは佐々木のデビューが予想外の展開を遂げていることで反響を呼んだ」として、SNSのファンの反応を紹介している。 USAトウディ紙の敏腕記者、ボブ・ナイチンゲール記者の投稿へのリポストをいくつか紹介していて「驚きではない。オフから武器がないことはわかっていた」「ストライクを投げろ!」との批判の声には、こう解説をつけた。「フラストレーションが溜まるのは理解できる。特に選手の誇大広告がすぐに結果に見合わない場合は。しかし、佐々木のようなポテンシャルを持つ選手にそんなに早くタオルを投げ込むのは時期尚早だ。序盤の苦戦は、多くの大型ルーキーに共通しており、何度かの荒れた試合が選手のキャリア全体を決定づけるわけではない」 そうフォローした。また山本由伸の昨年と比較する意見も多くあった。「驚いてはいない。昨年の山本がどれだけ洗練されていたかと比べると彼は未熟だし、山本も最初は少し苦戦していた。彼は大丈夫だろう。ここで過剰反応する必要はない」「山本の最初の試合を覚えていますか。ロウキは時間をかけて自信をつけていきます。そして素晴らしい選手になるでしょう」「心配はしていない」

 山本由伸も昨年のデビュー戦となった開幕のソウルシリーズでは大炎上するなど、メジャーのボールや環境、ピッチクロックなどのルールへ対応するためスタートには苦労した。   

ロバーツ監督も東京シリーズの記者会見で、山本と比較して、ストライクゾーンで勝負できるまで時間がかかったことを明かしている。同サイトは、「多くの海外から来た投手がMLBに適応するのに時間が必要なため、これは妥当な見方だ。自信は経験を重ねることで築かれることが多く、佐々木の初期の苦しみは将来の成功の基盤となる可能性が非常に高い。彼がコントロールを改善し、MLBの打者に慣れることができれば、高い期待に応えられる可能性は十分にある。時間が経てばわかることだが、多くのファンは佐々木のポテンシャルがすぐに輝くことにかけている」と、2試合乱調が続いた佐々木に好意的な見解を述べた。

そして「佐々木のMLBでの旅は始まったばかり。です。彼が誰もが望むエースになるかどうかは別としてファンは彼に勢いを見つけるための時間とスペースを与えるべき」とファンに呼びかけた。佐々木は4月4日からの敵地でのフィリーズ3連戦で3度目の先発マウンドに上がる予定となっている。

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