米当局の市場介入「緊急時のみに消極的」に実施する必要=ミネアポリス連銀総裁
[ワシントン 11日 ロイター] - 米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は11日、トランプ米大統領の大規模な関税措置に反応して金融市場が大きく揺れ動く中、米連邦準備理事会(FRB)、または米財務省による市場介入は、消極的、かつ真の緊急時のみに行われるべきとの考えを示した。
カシュカリ総裁は「FRB、または財務省による介入は消極的に、真に必要な場合のみに実施されるべきだ」とし、「インフレ抑制に対するFRBのコミットメントの弱体化を示す可能性のある動きに極めて慎重になる必要がある」と述べた。
また、関税措置に起因する物価上昇を含むインフレが抑制されると明確になるまで、金融当局は市場介入すべきではないとも指摘。「FRBは経済が最終的にどこに落ち着くかを変えることはできない。われわれにできることは、インフレ抑制に努めることだけだ」と語った。
ただ、これまでのところ市場は円滑に機能しているとの見方を示した。
トランプ大統領が2日に大規模な関税措置を発表したことを受け、米株価が急落すると同時に、米国債利回りが上昇するなどの動きが出ている。
カシュカリ総裁はCNBCのインタビューに対し、このところの金融市場の動きは投資家の米国に対する見方が変化していることを示している可能性があると指摘。「複雑な要因が絡み合っている」とした上で、米国債利回りが上昇すると同時にドル相場が下落していることに言及し、「通常は大幅な関税引き上げでドル相場の上昇が予想されるが、下落している事実を踏まえると、投資家の選好が変化しているとの見方の信頼性が増している」と語った。
カシュカリ氏は、世界中の投資家が長らく米国を最良の投資先と見なしてきたとし、「これが事実なら、米国の貿易赤字につながることになる」と指摘。「貿易赤字が縮小すれば、投資家が米国はもはや世界で最も魅力的な投資先ではないと見なしていることになり、その場合は米国債利回りの上昇につながると予想される」と述べた。
米10年債利回りは過去1週間で大きく上昇した。
大規模な関税措置を打ち出しているトランプ大統領は、米国が貿易赤字を抱えているのは貿易相手国が米国を騙している証拠だと主張しているが、カシュカリ氏はこれに異論を唱えた格好となる。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
Covers the U.S. Federal Reserve, monetary policy and the economy, a graduate of the University of Maryland and Johns Hopkins University with previous experience as a foreign correspondent, economics reporter and on the local staff of the Washington Post.