NY市場サマリー(7日)ドル・利回り上昇、株下落

[7日 ロイター] - <為替> 不安定な取引の中、ドルが上昇した。1月の米雇用者数は伸びが鈍化した一方で、失業率は4.0%に低下し、米連邦準備理事会(FRB)が少なくとも6月までは利下げを延期できるとの見通しが示された。

トランプ大統領が、多くの国に対する相互関税を来週発表することを計画していると明らかにしたこともドルの押し上げ要因となった。 もっと見る

主要通貨に対するドル指数は0.353%高の108.04。世界的な貿易戦争に対する懸念の後退から、ドルは週間で下落の見込みとなった。

米労働省が発表した1月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は14万3000人増と、前月(26万1000人増)から伸びが鈍化し、市場予想の17万人増も下回った一方で、失業率は4.0%と昨年5月以来の低水準となった。 もっと見る

ドル/円は0.09%安の151.365円となった。

日銀の田村直樹審議委員が6日、物価目標が実現する25年度後半には「少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが、物価上振れリスクを抑え、物価安定の目標を持続的・安定的に達成する上で必要だ」と発言したことが、金利上昇期待につながった。 もっと見る

英ポンドは0.2%安の1.2413ドル。

イングランド銀行(英中央銀行)は6日、政策金利を0.25%ポイント引き下げ4.50%とした。ベイリー総裁は、インフレが引き続き鈍化傾向にあり、追加利下げが可能になるとしながらも、利下げ幅やペースは「会合ごとに判断する必要がある」と述べた。 もっと見る

ユーロは0.49%安の1.0333ドルとなった。  

NY外為市場:

<債券> 国債利回りが上昇した。この日発表された1月米雇用統計で失業率が4.0%となったほか、前月分の非農業部門雇用者数が上方修正されたことが、堅調な労働市場を反映していると受け止められた。

この日発言したFRB当局者も、米雇用市場は堅調だとし、トランプ大統領の政策の影響が不明なため金利引き下げを急がない姿勢を強調した。

10年国債利回りは5.1ベーシスポイント(bp)上昇し4.489%となった。2年債利回りは6.7bp上昇し4.275%。

2年債と10年債の利回り格差は2bp縮小し、 21.1bpとなった。

フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、FRBが今年25bpの利下げを2回実施するとの見方が後退。12月までの利下げ幅は37bpと織り込んでいる。  

米金融・債券市場:

<株式> 主要株価3指数が軒並み下落。トランプ大統領が来週にも多くの国に対する相互関税を発表すると述べたことも重しとなった。精彩を欠く内容となった米雇用統計やミシガン大消費者信頼感指数も嫌気された。

トランプ大統領は、貿易相手国が米製品に課している関税と同率の関税を課す考え。現時点で、どの国が影響を受けるかは不明。 もっと見る
2月のミシガン大消費者信頼感指数(速報値)は7カ月ぶりの低水準に沈んだ。トランプ政権が掲げる関税措置を背景に、期待インフレ率は急上昇した。 もっと見る
3指数は週足でもそろって下落し、ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabは0.54%安、S&P総合500種(.SPX), opens new tabは0.24%安、ナスダック総合(.IXIC), opens new tabは0.53%安。
7日の取引ではS&P主要11セクター全てが下落。一般消費財(.SPLRCD), opens new tabが約2.5%安で、下げを主導した。
投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)(.VIX), opens new tabは6.6%高の16.3。
アマゾン・ドット・コム(AMZN.O), opens new tabは4.1%安。2024年第4・四半期決算は売上高が市場予想を上回ったものの、はクラウド事業の低調や第1・四半期業績のさえない見通しが売り材料となった。 もっと見る
一方、配車大手ウーバー・テクノロジーズ(UBER.N), opens new tabは6.6%高。著名投資家ビル・アックマン氏が、ウーバー株を大量保有していると公表したことが材料視された。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.79対1の比率で上回った。ナスダックでも2.53対1で値下がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は150億6000万株。直近20営業日の平均は149億1000万株。  

米国株式市場:

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相 場は、トランプ米政権による高関税政策への警戒感がくすぶる中、反発した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は、前日比10.90ドル(0.38%)高の1オンス=2 887.60ドル。週間では1.86%上昇した。 

NY貴金属:

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米政権による対イラン制裁の発表を背景に供給不安から買われ、4日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は前日比0.39ド ル(0.55%)高の1バレル=71.00ドル。週間では、1.53ドル(2.11%)安。マイナスでの越週は3週連続となった。4月物は0.37ドル高の70.74ドル。 

NYMEXエネルギー:

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります

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