NY市場サマリー(11日)ドル下落・利回り上昇、株まちまち

<為替> ドルが下落した。利下げを急ぐ必要はないというパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が材料視された。市場はまた、トランプ大統領の関税政策を巡りより具体的な情報を待っている。

パウエルFRB議長は11日、上院銀行委員会で証言し、利下げを急ぐ必要はないと再表明した。経済は「総じて堅調」で失業率は低く、インフレはFRBの目標である2%を依然上回っていると述べた。 もっと見る

主要通貨に対するドル指数は0.37%安の107.96となった。

トランプ大統領は10日、鉄鋼とアルミニウムに対する関税を大幅に引き上げ、一律25%とし、主要供給国のカナダ、メキシコ、ブラジルなどへの適用除外措置と無関税枠を撤回したほか、米国製品に関税を課す全ての国に対する相互関税を今後2日間で発表すると明らかにした。 もっと見る

カナダドルは0.14%高の1米ドル=1.43カナダドルとなった。

円は対米ドルで0.3%安の1ドル=152.45円。

NY外為市場:

<債券> 国債価格が低下し、利回りが上昇した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が議会証言で利下げを急ぐ必要はないと改めて表明したことに加え、トランプ米政権の関税政策を巡る懸念が出ていることが背景。

パウエル議長は上院銀行委員会で行った証言で、経済は「総じて堅調」で失業率は低く、インフレはFRBの目標である2%を依然上回っていると指摘。利下げを急がない姿勢を改めて示した。 もっと見る
トランプ大統領は10日、鉄鋼・アルミニウム製品に対する25%の追加関税を適用する大統領令に署名。貿易戦争のリスクがさらに高まった。 もっと見る

終盤の取引で10年債利回りは4.2ベーシスポイント(bp)上昇の4.537%。

30年国債利回りも4.2bp上昇の4.753%。

2年債利回りは2.2bp上昇の4.289%。一時は4.298%と、3週間ぶりの高水準を付けた。

米金融・債券市場:

<株式> パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を精査する中、強弱まちまちで取引を終えた。テスラが下落する一方、コカ・コーラやアップルに買いが入った。

パウエル議長は11日、上院銀行委員会で証言し、利下げを急ぐ必要はないと再表明した。経済は「総じて堅調」で失業率は低く、インフレはFRBの目標である2%を依然上回っていると述べた。 もっと見る
市場ではトランプ米大統領が発表する見通しの新たな関税への警戒感も漂った。トランプ氏は10日、鉄鋼・アルミニウム輸入に例外なく25%の関税を課すと発表した。また、米国製品に関税を課す全ての国に対する相互関税を今後2日間で発表するとも述べた。 もっと見る
テスラ(TSLA.O), opens new tabは6.3%下落。同社の最高経営責任者(CEO)で実業家のイーロン・マスク氏率いる投資家連合は10日、米オープンAIを統括する非営利組織を974億ドルで買収することを提案したと明らかにした。 もっと見る
アップル(AAPL.O), opens new tabは2.2%高。中国電子商取引(EC)大手アリババ・グループ(9988.HK), opens new tabと提携し、中国向けiPhoneの人工知能(AI)機能開発と展開を計画していると伝わった。 もっと見る

米国株式市場:

<金先物> 前日に最高値を更新した反動から利益確定の売りに押され、3営業日ぶりに反落した。 中心限月4月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.80ドル(0.06%)安の1オ ンス=2932.60ドル。

NY貴金属:

<米原油先物> 米国の対ロシア制裁を背景とした供給混乱への警戒感が高まる中、3営業日続伸した。 米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は前日比1.00ドル (1.38%)高の1バレル=73.32ドルだった。4月物は1.07ドル高の73. 08ドル。

NYMEXエネルギー:

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

関連記事: