NY外為市場=ドル/円弱含み、米経済減速巡る懸念で

ニューヨーク外為市場ではドルが対円で弱含んだ。2013年2月撮影(2025年 ロイター/Shohei Miyano)

[ニューヨーク 10日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが対円で弱含んだ。トランプ米政権の貿易政策を巡る不確実性を背景に市場では米景気減速への懸念が強まっており、米株式市場も急落した。

一方、利益確定の動きから、ドルはユーロ、スイスフラン、ポンドなど一部の主要通貨に対しては上昇した。

米政権による関税措置の発動に注目が集まる中、トランプ米大統領は9日に放送されたFOXニュースの番組で、関税政策によって米国が景気後退に陥るかどうか直接的な言及を避けつつ、一定の経過期間が存在するとの見方を示した。 もっと見る

米景気懸念からドルは対円で弱含み、0.47%安の146.33円。一時、146.625円と昨年10月序盤以来の安値を付けた。

厚生労働省が10日に公表した1月の毎月勤労統計速報で、現金給与総額のうち、賃上げのベアを反映する所定内給与(基本給)が3.1%増で、32年3カ月ぶりの高い伸び率を記録したことも材料視された。 もっと見る

日銀は今月18─19日に金融政策決定会合を開く。

ドルは対スイスフランで終日下落し、一時、昨年12月序盤以来の安値を付ける場面もあったものの、その後上げに転じ、終盤は0.26%高の0.882フラン。

ユーロは対ドルで0.08%安の1.0823ドル。それでも、欧州政府の支出が増加するとの見方から、ユーロは依然4カ月ぶりの高値近辺で推移した。ユーロは先週、週間で16年ぶりの最高のパフォーマンスを記録した。

マネーコープの北米ストラクチャードプロダクツ責任者ユージン・エプスタイン氏は、ユーロの主な値動きは、政府支出増や欧州中央銀行(ECB)が予想よりも幾分タカ派的な姿勢になる可能性によるものとの見方を示した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは5.53%安の7万8488.64ドル。イーサは6.99%安の1905.10ドル。一時、23年11月以来の安値を付けた。

市場が織り込む年内の米連邦準備理事会(FRB)による利下げ幅は計75ベーシスポイント(bp)。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げが完全に織り込まれている。

市場では12日に発表される米消費者物価指数(CPI)が注目されている。

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