【え?】映画『8番出口』を予備知識ゼロで観た結果 → エンドロールで一番びっくりした

地下鉄の駅みたいな通路を歩いていたら、向こうから謎のおじさんが歩いてきて無限ループするゲーム──。

『8番出口』について私(あひるねこ)が知っている情報は、これがすべてである。果たしてこんな状態で話題の実写映画を観て大丈夫なのか? 実際に映画館まで足を運んでみた!

・人気ゲームを映画化

2025年8月29日公開の映画『8番出口』。二宮和也主演で、監督は『君の名は。』のプロデューサーとしても知られる川村元気だ。監督作としては、これが2作目となる。

私が行ったのは平日昼間の回だったが、客層は原作ゲームファンというより、二宮さん目当てと思われる女性が多かった印象だ。年齢層も10代から50代くらいまで幅広い。さすがニノである。

※敬意と親しみを込め、以下「ニノ」で統一。

ここから先はネタバレはなし……というより、それがネタバレなのかどうかも判断がつかないため、作品の具体的な内容には触れないことにする。安心して読み進めてほしい。

・初見勢の感想

そんなわけで何も知らずに観た『8番出口』だが、結論から言うと思っていた以上によかった。

映画が始まってまず驚いたのが、タイトルバックと音楽だ。黄一色の画面にラヴェルの『ボレロ』が流れる。いい意味ですごく広告的というか、デザインが洗練されているように感じた。

そこからカメラはニノが持つスマホのSNS画面に切り替わり、そのままFPS(一人称)視点で地下鉄の駅の階段を上がっていく。しかもたっぷりと時間を使って。

この時点で「あ、これはエンディングでJ-POPが流れるタイプの映画じゃないんだな」と直感した。ゴリゴリの売れ線エンタメかと思いきや、単館でかかっていそうなアート映画の空気も色濃く漂っているのだ。

そして舞台は例の地下通路に移り、あの有名なおじさんが満を持して登場! ……したのだが、恥ずかしながら私、おじさんを演じた俳優の河内大和さんのことをよく存じ上げず。

そのため、このおじさんは人間が演じているのか、それともCGなのか。本気でしばらく分からなかった。特にあの満面の笑顔、CG丸出しではないか。ポスターで見るよりもはるかに異様で違和感があった……。

・MVPは “音”

その後、ニノはループする地下道をひたすら歩き続けることになるのだが、このあたりは『世にも奇妙な物語』を連想させないこともない。実際、ネガティブな意味で『世にも』の名前を引き合いに出している感想も見かけた。

が、個人的にはそういったドラマシリーズと本作とで決定的に違う点があると感じる。それは音響のインパクトである。『8番出口』の主役は地味にこの音響ではないか? ってくらい音の鳴りが凄まじいのだ。

狭い通路にコツコツと反響するおじさんの靴の音は、それだけでもうホラーである。普通だったら何でもないような音が、とんでもなく恐ろしく嫌悪感あるものに感じられる。これは映画館でしか味わえない、映画館ならではのものだと思う。

また、ニノの咳も非常に印象的だった。本作の主人公は喘息持ちという設定になっていて、吸入薬を使いながら何度も苦しそうに咳込む。

その演技がやたら上手いせいで、咳自体が一種の音響装置となって観客の不安を激しくかき立てるのだ。最終的には、自分の喉から咳が出ているかのような不快感すらあった。映画を観た人ならきっと共感してくれるだろう。さすがニノである(2回目)。

本作の上映時間は95分。本来なら30分程度で終わってしまいそうな内容を、過剰な説明セリフや余計な回想シーン、お涙頂戴を挟むことなく、さらに現代的なテーマを付与した上で、サイコスリラーとしてしっかり終わらせたのはお見事の一言だ。

本当のことを言うと、途中ちょっと長いなと思う部分もあったのだが、予備知識ゼロでも特に気にならず、最後まで面白く観ることができた。観てよかったと心から思った。ところが……。

安心しきってエンドロールを眺めていた私は、そこに流れてきた “ある文字” を見て、この日一番びっくりすることになる。

・まさかの今日イチ

公式サイト等で発表されている本作のキャストは、二宮和也、河内大和、浅沼成、花瀬琴音、小松菜奈の全部で5名。改めてミニマルな映画だよなぁ、などと考えていたら……。

出演者リストの最後の最後に、誰もが知る男性有名人の名前がドンと出てきたのだ。その文字を見た私は一瞬「へぇ~」と思ったものの、すぐに「え?」と二度見した。いやいや、いやいやいや……! 

どこに出てた……?

ネタバレになってしまうため名前は伏せるが、いくら記憶を巻き戻しても、その男性の出演シーンがまったく思い出せない。それらしきシーンも思い浮かばない。そんなことある? あんな分かりやすい見た目の男性を、見逃すことがあるだろうか?

おかげで『8番出口』に関する私の感想は、すべてその男性に上書きされてしまった。どうしても知りたい人は、調べたらすぐ出てくるから試してみてくれ。ただし、自己責任でよろしく頼むぞ! ブンブン!!

参考リンク:8番出口 執筆:あひるねこ Photo:RocketNews24.

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