ウクライナ代表団、米国へ向かう-和平交渉前にも攻撃応酬続く
- ルビオ国務長官、ウィトコフ特使、クシュナー氏と会談へ
ロシアは夜間にウクライナの首都キーウに空爆を仕掛け、少なくとも3人が死亡し、広範な停電が発生した。こうした中、戦争終結に向けた協議のため、ゼレンスキー大統領の交渉団が米国に向かっている。
ウメロフ国家安全保障・国防会議書記とキスリツァ第1外務次官を含む交渉団が米国に向かっていると、ゼレンスキー大統領がX(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。
米当局者によると、一行は30日に米フロリダ州でルビオ米国務長官、ウィトコフ米特使、およびトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏と会談する予定。
ゼレンスキー氏は「米側は建設的な姿勢を示しており、今後数日で戦争をどのように品位ある形で終結させるか、その手順を具体化することが可能だ」と述べた。
Secretary of the National Security and Defense Council of Ukraine and head of the Ukrainian delegation Rustem Umerov, together with the team, is already on the way to the United States. Rustem delivered a report today, and the task is clear: to swiftly and substantively work out…
— Volodymyr Zelenskyy / Володимир Зеленський (@ZelenskyyUa) November 29, 2025
ゼレンスキー氏によると、ロシア軍は夜間に約36発のミサイルとほぼ600機のドローンを発射し、住宅ビルでも大きな損傷や火災が発生した。
ウクライナのシビハ外相はXで「和平計画の論点を皆が議論する中、ロシアは殺りくと破壊という2点からなる『戦争計画』を継続している」と非難した。
一方、ロシアの黒海沿岸にある主要な石油輸出施設は夜間の攻撃を受けて積み込み作業が停止。南部のクラスノダール地方ではウクライナのドローン攻撃により製油所で火災が発生した。
また、ロシア産原油を運ぶ制裁対象の「シャドーフリート(影の船団)」外洋タンカー2隻がトルコの黒海沿岸沖で爆発に見舞われ、ウクライナの攻撃によるものだと同国治安当局が主張した。
トランプ米大統領は、2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻で始まった戦争を終結させるため、領土面を含む譲歩をウクライナ政府に迫っている。
30日のウクライナ代表団との会談後、ウィトコフ氏と米代表団は来週、ロシアでの協議に臨む予定だ。
原題:Ukraine Claims Hit on Russian ‘Shadow Fleet’ Black Sea Tankers、Kyiv Hammered by Russian Strikes as Negotiators Head to US (1)(抜粋)
— 取材協力 Alaric Nightingale, Olesia Safronova and Eric Martin