全く知られていなかった「大量絶滅」の存在が発覚。原因は不明
地球の長い歴史の中で、生き物のほとんどが死に絶える「大量絶滅」という大事件は、これまで公式に5回あったとされてきました。有名なのは6600万年前、巨大な隕石が落ちて恐竜が滅びたあの事件です。
ところが最新の研究で、これまでの記録をさらに1億年もさかのぼる「真の第1回目」が隠されていたことがわかりました。その名は「コトリン危機(Kotlin Crisis)」。なんと約5億5000万年前、誰も気づかぬうちに、当時の生き物の約80%が消え去っていたというのです。
IFLSが伝えました。
海底を埋め尽くした「動かない異形たち」
絶滅したのは、「エディアカラ生物群」と呼ばれる者たちです。
彼らには目も口も内臓もありません。ただ海底にペタッと張り付いて栄養を吸い取る、まるで「生きた図形」のような不思議な姿をしていました。代表格のディッキンソニアなどは、見た目はただの巨大なパンケーキ。敵も争いもない「静かすぎる楽園」みたいな環境が数千万年も続いていました。
というか、あまりに平和すぎて、進化する必要すらなかったみたい。しかし、そんなユートピアに突如として「終わりの日」が訪れたんです。
カナダの火山灰に閉じ込められた「タイムカプセル」
ところで、なんで絶滅なんて歴史の大事件が今まで見逃されていたのか、不思議に思いますよね。
理由は、彼らが骨も殻も持たない「柔らかすぎる生き物」だったから。彼らは死んでしまうと、跡形もなく溶けてしまったんです。
今回、絶滅の事実が判明したのは、カナダのニューファンドランド島にある遺跡で、古代の火山灰が当時の生命を一瞬でパックし、タイムカプセルのように5億年以上も完璧な形で保存していたものが発見されたから。
この化石を精密に分析した結果、驚きの事実が判明しました。これまで「新しい生命にゆっくり場所を譲った」と思われていた彼らでしたが、実は全盛期のまま、ある時期を境に一気に消し飛んでいたのです。その規模は、あの恐竜絶滅(約75%が消滅)をも上回る可能性があるほど、凄まじいものでした。
絶滅の原因は不明
通常これほどの大事件なら、巨大噴火や小惑星衝突といった何かしらの痕跡が現場に残るものです。ところが、この5.5億年前の事件にはないんです、その痕跡が。
酸素が急激に減ったのか、それとも深海から毒素が湧き出したのか。生き物の8割を殺しておきながら、一切の物証が残っていません。地球史上最古にして最大の完全犯罪を前に、科学者たちは今、途方に暮れながら岩石を掘り続けています。
コリトン危機の謎が解明する日は、くるのでしょうかね。
Source: IFLS