徳島:県庁 憩いの場へ“変身中”:地域ニュース : 読売新聞
県は、来庁者や職員がより快適に過ごせるように、県庁のホールや食堂の模様替えなどに取り組んでいる。誰でも自由に弾けるピアノや机、椅子などを置き、人が集まりやすくしたほか、県産木材を使った改修も計画中だ。担当者は「より利用しやすい『開かれた県庁』にしていきたい」と話している。(徳永翔太)
年度内に改修完了 「気軽に立ち寄る空間に」
■県民ホール一新
県庁1階の「県民ホール」には10月下旬、机が設置された。平日の正午過ぎになると、職員らが集まって弁当を食べたり、休憩を取ったりする姿が目立つ。
同僚と昼食に訪れた健康寿命推進課の木下愛未さん(23)は「以前より過ごしやすくなった」と喜ぶ。
県民ホールの模様替えは、管財課が若手職員から意見を募って実施。これまでは据え置き型の椅子が四つあるだけだったが、移動可能な円形の机(直径90センチ、高さ72センチ)9台と、8人がけの机(縦1メートル、横3・6メートル、高さ1メートル)1台、椅子35脚を設置し、ミーティングや食事など幅広い用途で使えるようになった。
7月末には、誰でも使える「ストリートピアノ」として、黒崎楽器(徳島市)から借りたピアノを設置。平日の午前8時~8時半、正午~午後1時、午後5時15分~6時15分に使用できる。さらにスピーカー4台も設置し、鳥がさえずる音などを流している。
管財課の井内江利課長補佐は「課の部屋で食事をすると仕事の延長のようになってしまう。ホールであれば他部署と交流できる」と効果を語り、今後も観葉植物の設置や椅子の増設など、設備を充実させていく方針だ。
■展望スペース4倍
多くの職員や来庁者が利用する県庁11階の食堂では、木材を使って温かみのある空間に改修する「木質化」の計画が進んでいる。
県産材のPRをしようと林業振興課が企画。机や椅子に県産材を中心とした木材を使用し、昼時以外にも開放する。リモート会議や休憩場所としての利用を想定しており、改修後の食堂の名称は、「木陰のように人が集まるスペースに」との思いから、「CO―CAGE(こかげ)キッチン」の愛称を付ける。
食堂と同じ11階の「展望者ロビー」も県産材を使った改修を行う予定だ。
現在は仕切りで区切られ一部が会議室となっているが、これを取り払うことで、36平方メートルの展望者ロビーが、約4倍の160平方メートルに広がる。
食堂と展望者ロビーは年内に着工し、今年度中に完成予定。林業振興課の清水保普課長補佐は「県民に気軽に立ち寄ってもらえる空間にしたい」と話す。