米ADP民間雇用者数、12月は伸び減速-労働需要の緩和を示唆

Matthew Boesler

更新日時

  • 12月の米民間雇用者数は12万2000人増、市場予想の14万人増を下回る
  • 業種別では強弱まちまち、教育・医療など増加-賃金の伸び鈍化

ADPによると、米民間部門の雇用者数は昨年12月に伸びが減速し、8月以来の低水準となった。労働需要の緩和が続いていることを示唆している。

キーポイント
  • 12月の米民間雇用者数は12万2000人増
    • エコノミスト予想の中央値は14万人増
    • 8月以来の小幅な伸び
  • 11月は14万6000人増
  • ADPリサーチ・インスティテュートとスタンフォード・デジタル・エコノミー・ラボが共同で算出

Latest numbers indicate US labor market continues to moderate

Source: ADP Research Institute, Stanford Digital Economy Lab

  業種別では強弱まちまちだった。教育・医療サービス、建設、娯楽・ホスピタリティーで伸びが目立った。一方で、製造業、天然資源・鉱業、専門職・ビジネスサービスでは雇用が落ち込んだ。

  今回の統計は、米労働市場の緩やかな軟化が2024年に年末まで継続したことを示している。米金融当局者は25年以降どこまで政策金利を引き下げるかを検討するにあたり、労働市場の需要緩和とインフレ再燃への懸念との間でバランスを取る必要がある。

  統計によると、賃金の伸びも鈍化した。転職した労働者の賃金は7.1%上昇に減速し、同じ職にとどまった労働者の賃金は4.6%上昇と、2021年半ば以来の低い伸びとなった。

  ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は「米労働市場は昨年12月に一段と拡大ペースが鈍り、雇用と賃金双方の伸びが縮小した」と述べた。

  ADPは2500万人余りの米民間部門従業員の給与明細に基づいて調査結果を発表している。

  地域別では、西部が全体の伸びをけん引。規模別では、雇用創出の大部分を従業員数500人以上の企業が占めた。

  別に公表された先週の米新規失業保険申請件数(1月4日終了週)は前週比1万件減少の20万1000件と、昨年2月以来の低水準となった。失業保険の継続受給者数(12月28日終了週)は187万人に増加した。このデータは週によって、特に祝日の前後は変動が大きくなりやすい。

Even as hiring slows, companies are reluctant to pare headcount

Source: US Labor Department

  10日に発表される12月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が16万3000人増と、11月の22万7000人増から伸びが鈍化すると予想されている。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Firms Add 122,000 Jobs in ADP Data, Fewest Since August(抜粋)

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