10年ぶり“日立台”でJデビューの巡り合わせ…川崎F伊藤達哉「本当は先週等々力でデビューする予定だった」
アカデミー時代をすごした柏戦でJデビューの川崎F伊藤達哉
[2.22 J1第2節 柏 1-1 川崎F 三協F柏]
10年ぶりの“古巣”凱旋だ。今季から川崎フロンターレに加入したFW伊藤達哉が、先発でJリーグデビューを果たす。奇しくも、相手はU-12からU-18まで所属していた柏レイソル。スタジアムは、“日立台”こと三協フロンテア柏スタジアムだった。
「本当は先週等々力でデビューする予定だったんですけど体調崩しちゃっていて。たまたま柏でJリーグデビューするとなって、すごい偶然だなと思いました」 27歳のFWは“Jデビュー戦”を感慨深く語ったーー。 2015年7月、柏U-18に所属していた高校3年生のシーズン途中に、ドイツのハンブルガーSVへの移籍を決断。当初はU-19に所属していたが2017年9月にブンデスリーガ1部デビューを飾り、はれてプロ契約となった。その後、シントトロイデン(ベルギー)、マクデブルク(ドイツ)へと渡り、2025シーズンから日本でのプレーを選択した。1-1で迎えた後半19分には、FWマルシーニョの左からの折り返しを右で受けた伊藤が、相手を1人かわして左足で豪快にゴールネットを揺らしたが、MF橘田健人からマルシーニョへのパスがオフサイドとなって、日本での初ゴールは認められず。後半27分にピッチを退いた。
「試合前まではあんまり思わなかったんですけど、『ピッチに立ったら意外となんかあるんじゃない?』と言われていたんですけど、ちょっと不思議な感覚ではありました」 小中高をプレーした柏だけに、当然、顔見知りも多い。伊藤が高校2年時の2014年には、柏U-18がプレミアリーグEASTを制覇。C大阪U-18と激突したチャンピオンシップ(●0-1)での柏U-18スタメンには、1学年上のMF手塚康平(柏)、DF中山雄太(町田)、DF上島拓巳(福岡)、FW大島康樹(甲府)、同学年のGK松本健太(柏)、1学年下のDF古賀太陽(柏)と現在もJリーグで活躍中の選手が多い。 試合前はしゃべらないように意識していたというが、試合後にはこの日メンバー入りしていた松本、古賀と会話をかわしたという。 「特別なクラブ」との一戦を終えた伊藤は、「試合ごとに新たな発見がある。試合ごとに手応えは増してきている」と川崎Fでのプレーに自信を深めていた。 (取材・文 奥山典幸)★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!●2025シーズンJリーグ特集