[参院選終盤情勢]自公の過半数厳しく、立民堅調・国民大幅増 : 読売新聞
読売新聞社は20日投開票の参院選について、12~15日、電話とインターネットによる調査を実施し、全国の総支局などの取材も加味して終盤の情勢を探った。自民党は選挙区選、比例選ともに苦戦を強いられ、獲得できるのは30議席台となりそうだ。公明党を加えても、与党で参院の過半数(125)に必要な50議席まで届かない可能性があり、過半数維持は厳しい情勢となりつつある。
【一覧】主な党派の予想獲得議席全体の勝敗を分ける改選定数1の「1人区」32選挙区のうち、自民が優勢なのは、石川、福井、鳥取・島根、山口の4選挙区のみにとどまる。序盤では7選挙区だったが、群馬、岐阜、奈良の3選挙区が接戦に転じた。東北、四国、九州では、全ての1人区で激戦から抜け出せていない。
改選定数2以上の複数区ではそれぞれ議席を確保できそうだが、大阪は厳しい戦いとなっている。全選挙区に候補者を立てた参政党に保守票を奪われている面もある。自民が過去最低だった1989年(宇野内閣)の36議席を割り込む可能性も浮上している。
公明は選挙区選と比例選の合計で過去最低の9議席と同水準に落ち込みそうな状況だ。埼玉、愛知などでは参政を含む混戦で後れを取る状況となっている。
立憲民主党は堅調な戦いぶりで、序盤に比べて調子を上げている。1人区の岩手、長野、三重などで優位な戦いを進め、比例選と合わせて30議席も視野に入れている。
国民民主党は勢いが続いており、大幅な議席増が見込まれる。目標に掲げる「改選16議席以上」に届きそうで、選挙区選と比例選ともに上積みを狙う。
参政は10議席を超えて躍進しそうだ。東京で優位に立つほか、埼玉、愛知、大阪などでも攻勢を強めて接戦を演じる。比例選でも多数の議席を確保しそうだ。
日本維新の会と、れいわ新選組はいずれも伸び悩んでおり、共産党は改選7議席を割り込む可能性がある。
日本保守党は比例選で数議席を獲得する見込みで、社民党は1議席の確保を視野に入れている。
電話調査は、調査員による調査と自動音声による調査を組み合わせ、5万3406人、インターネット調査は、「Yahoo!JAPAN」のIDを持つユーザーら8万5869人、計13万9275人から回答を得た。一定数の回答者が投票先を挙げておらず、情勢は流動的だ。
今回の参院選は125議席が争われ、選挙区選(75議席)に350人、比例選(50議席)に172人の計522人が立候補している。
調査の方法
7月12~15日、電話とインターネットによる調査を実施し、計13万9275人の回答を得た。
電話調査は調査員による調査と自動音声による調査を行い、それぞれ2018人、5万1388人が回答した。
インターネット調査は、LINEヤフー社と協力して実施。「Yahoo!JAPAN」のIDを持つユーザーと「Yahoo!ニュース」のLINE公式アカウントの登録者から対象者を抽出して協力を依頼し、8万5869人が回答した。
自動音声の電話調査は日本経済新聞社と協力して実施し、データのみ同社と共有した。集計、分析、記事作成は独自に行った。
議席予測方法
選挙区選は、過去の選挙での調査結果と実際の得票率との関係から予測式を作成し、今回の調査で得た各候補者の数値を当てはめた。
比例選は、選挙区選と同様に過去の選挙での調査結果と実際の選挙結果の関係などから予測式を作成し、予測得票数を算出。ドント方式で各政党の獲得予測議席を計算した。
これらに全国の総支局などの取材情報を加味して総合的に判断した。