ティベーリやシモンズら豪華メンバー集結のジャパンカップ 14回登る古賀志林道の攻防をプレビュー
今年も平均勾配8.4%の古賀志林道を14回登る、激戦必至の宇都宮ジャパンカップロードレース。コースの特徴とともに、ティベーリやシモンズ、マシューズ、ヒーリーら豪華な優勝候補を紹介する。第33回宇都宮ジャパンカップ サイクルロードレースつづら折れの古賀志林道を駆け上がる photo:Makoto AYANOコース:宇都宮市森林公園周回コース総距離:144.2km(10.3km×14周)周長:1周=10.3km獲得標高差:2,660m(1周190m)山岳賞:3周、6周、9周、12周3大ツールが閉幕し、ロード世界選手権、そして今年最後のモニュメントであるイル・ロンバルディアも終わった。2026年のロードレースシーズンも終盤を迎え、日本人ファンにとって例年通り、宇都宮ジャパンカップがシーズンを締めくくる大一番となる。舞台は今年も、宇都宮市中心部の北西に位置する宇都宮市森林公園の周回コースだ。コースの象徴となるのが「古賀志林道(釣堀〜頂上間1.14km/平均勾配8.4%)」で、選手たちはこの坂を14回登るため獲得標高差は2,660mに達する。3周、6周、9周、12周目に山岳賞が設定され、頂上からは狭いコーナーが連続する約3kmの下りが続く。そして田野町交差点からスタート/フィニッシュ地点までは登り基調のワインディングとなり、この区間では例年アタックが仕掛けられてきた。1周あたりの所要時間は約16分と見込まれ、レースは3時間半前後に及ぶ。レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)が優勝した昨年は、3時間30分ちょうどでフィニッシュした。ジャパンカップ2026ロードレース コースマップ image:Utsunomiya Japan Cupジャパンカップ2026ロードレース コースプロフィール image:Utsunomiya Japan Cup天を仰ぎながらフィニッシュするレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) photo: Yuichiro Hosodaティベーリ、シモンズら優勝候補急きょメンバー入りしたマルティネスを含め、歴代屈指の豪華メンバーが揃うと期待されていた今大会。しかしマルティネスは体調不良、テイオ・ゲイガンハート(イギリス、リドル・トレック)は直前のレースでの落車、マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダープロサイクリング)はチームの選手変更により、それぞれ欠場となった。それでも、世界のトップレーサーたちが宇都宮に集結した。マルティネスに代わってゼッケン1をつけるのは、アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)だ。総合エースとして臨んだツール・ド・フランスでは暑さに苦しみ、期待された結果を残せなかったものの、9月のクロ・レースでは総合2位に入る活躍。チームは4名での出場となるが、2月のUAEツアーでは山頂フィニッシュを独走で制しているため、優勝候補の一人に挙げられる。アントニオ・ティベーリ(イタリア) photo:Makoto AYANO初来日のクイン・シモンズ(アメリカ) photo:Makoto AYANO同じく4名で臨むのがリドル・トレックだ。エースを務めるのは、日本でも抜群の人気を誇るアメリカ王者のクイン・シモンズ。体重は70kg台とライバルたちより重く、古賀志林道を何度も登るコースで有利とは言い難い。それでも早めに来日し、宇都宮入り後もトレーニングに励んでいるため、勝利を狙ってくることは間違いない。
厚い選手層で勝利を狙うEFとジェイコ
イル・ロンバルディアの好調そのままにベン・ヒーリー (アイルランド)がやってきた photo:Makoto AYANOチーム力では、EFエデュケーション・イージーポストとジェイコ・アルウラーが双璧をなす。EFのエースは、2025年ツール・ド・フランスでの区間優勝も記憶に新しいベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)。今年は仙骨骨折でアルデンヌクラシックを欠場し、ツールでも勝利争いに絡めなかった。シーズン終盤の調子は悪くないが、日本へのフライトが丸一日遅れ、現地入りは10月16日(金)の夜となった。時差ぼけの影響も懸念される。同じく到着が遅れたジェイコ・アルウラーは、小集団でのスプリントになればマイケル・マシューズ(オーストラリア)が有力だ。「脚質:ファンアールト」と評することのできる、登れてスプリントもできるマウロ・シュミット(スイス)にも勝機がある。過去の成績では、ドイツ王者フェリックス・エンゲルハートが2023年に2位に入った。複数の選手が勝負できる層の厚さが、チームの強みだ。チーム・ジェイコ・アルウラー photo:Makoto AYANO日本チャンピオンジャージで走る留目夕陽 photo:Satoru Kato大声援に応える新城幸也(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ) photo:Makoto AYANOトタルエネルジーでは、ツール・ド・フランスで2年連続総合10位に入り、ツール・ド・九州でも好走したジョルダン・ジェガットとアレクサンドル・ドゥレトルのフランス人コンビが強力だ。また、シーズン終盤の勢いに注目したいのが、ロット・アンテルマルシェのイェノ・ベルクムースとレナルト・ファンイートヴェルト(共にベルギー)。ベルクムースは8月下旬のレネウィ・ツアーでワールドツアー初勝利を飾り、そのほかのレースでも一桁順位を重ねている。日本勢では、日本王者の留目夕陽(愛三工業レーシングチーム)に注目したい。キナンレーシングチームの小石祐馬と橋川丈、引退が発表された岡本隼(愛三工業レーシングチーム)、クリテリウムで日本人最上位の4位に入った岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン)、そして新城幸也(ソリューションテックNIPPOラーリ)の走りにも期待がかかる。
2025年 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) 2024年 ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) 2023年 ルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) 2022年 ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) 2021年 中止 2020年 中止 2019年 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) 2018年 ロブ・パワー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 2017年 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 2016年 ダヴィデ・ヴィッレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) 2015年 バウク・モレマ(オランダ、トレックファクトリーレーシング) 2014年 ネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ) 2013年 マイケル・ロジャース(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)
text:Sotaro.Arakawaphoto:Makoto AYANO, Kei Tsuji