シティ、トレーディング部門が良好-収益目標達成に一歩近づく

Todd Gillespie

  • レーディング部門収入は予想上回る60億ドル、富裕層部門は過去最高
  • 有形普通株主資本利益率は9.1%上昇、来年末までに10-11%が目標

シティグループが15日発表した1-3月(第1四半期)決算は、トレーダー部門の業績が予想を上回ったほか、富裕層向け事業およびリテール事業も良好だったことが寄与し、主要な収益目標の達成に一歩近づいた。

  トレーディング部門の収入は60億ドル(約8560億円)。このうち債券は8%増、株式は23%の大幅な伸びとなった。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均は57億4000万ドルだった。

  ジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)が注力する富裕層向け部門の収入は24%増の21億ドルと、過去最高を記録した。特に弁護士などの専門サービス企業向けに個別の助言を提供する「ウェルス・アット・ワーク」事業が増収に貢献した。

  収益性を見極める指標として同行が重視する有形普通株主資本利益率(ROTCE)は1-3月期に9.1%に上昇した。フレーザー氏は、来年末までにROTCEを10-11%に引き上げることを目標に掲げている。

  目標達成に向けた取り組みの一環として、同氏は組織再編を行い、外部からリーダーを起用、数千人の削減に踏み切った。

  シティ全体の1-3月期純利益は21%増の41億ドル。1株当たりでは1.96ドルと、アナリスト予想平均の1.84ドルを上回った。

  投資銀行部門は、当期中に終えたM&A(企業合併・買収)案件の手数料収入を中心に収入が12%増の20億ドルに拡大した。

  フレーザー氏は「結局のところ、長年の貿易不均衡やその他の構造的変化を乗り越えても、米国は引き続き世界をリードする経済であり、ドルは基軸通貨であり続けるだろう」と語った。

貸倒引当金の増加

  シティは貸倒引当金として27億ドルを計上したが、これは前年同期から15%増加。アナリスト予想の9%増を上回った。

  米個人向け部門は、四半期の収入としては過去最高の52億ドルを計上。米ホーム・デポやベスト・バイといった企業との提携クレジットカードやプライベートブランドのクレジットカードを提供するリテールサービス部門の収入は11%減少した。

原題:Citi’s Traders Help Get Fraser Closer to Profitability Target

(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE

関連記事: