米、年内のヒズボラ武装解除とイスラエル撤退計画を提案=レバノン内閣文書

ロイターが確認したレバノン内閣の議案文書によると、米国はレバノンに対し、2025年末までに親イラン武装組織ヒズボラを武装解除するほか、レバノンにおけるイスラエルの軍事作戦の終了とレバノン南部の5地点からの軍撤退など4段階の計画を提示している。二輪車に乗りながらヒズボラの旗を掲げる男性たち。ベイルート南部郊外で2024年11月撮影(2025年 ロイター/Thaier Al-Sudani)

[ベイルート 7日 ロイター] - ロイターが確認したレバノン内閣の議案文書によると、米国はレバノンに対し、2025年末までに親イラン武装組織ヒズボラを武装解除するほか、レバノンにおけるイスラエルの軍事作戦の終了とレバノン南部の5地点からの軍撤退など4段階の計画を提示している。計画はバラック米特使が提出し、レバノン内閣会議で7日議論されている。

武装解除を求める声が高まっているにもかかわらず、ヒズボラは拒否してきた。23年10月にイスラエル軍とイスラム組織ハマスによるパレスチナ自治区ガザの戦闘が始まった直後から、ヒズボラはハマスに連帯する形でイスラエル軍と交戦。イスラエルは昨年、ヒズボラに大きな打撃を与えた。

米国の提案は、24年11月のイスラエルとレバノンの停戦合意を「延長し、安定させる」ことを目指している。提案で「空爆や越境作戦など、イスラエルが停戦合意に違反しているとの訴えが増え、脆弱な現状の崩壊を招くリスクが高まっている」との認識を示した。

計画の第1段階では、レバノン政府が15日以内に、25年末までのヒズボラの完全武装解除を確約する法令を発することが求められる。イスラエルも地空海の軍事作戦を停止する。

第2段階では、武装解除の目標を明記し、レバノンは60日以内に武装解除の実施を始める。イスラエルはレバノン南部から撤退を始め、拘束者を釈放する。

第3段階で、90日以内にイスラエルが最後の2つの駐留地から撤退。再建に向けたインフラ整備などの資金を確保する。

第4段階で、120日以内にヒズボラのミサイルやドローンなど残る武器が武装解除される。この段階で米、サウジアラビア、フランス、カタールなどはレバノン経済と再建を支援する経済会議を開く。

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