自公維、予算修正で党首合意 高校無償化170万人対象

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自民、公明両党と日本維新の会は25日、高校授業料の無償化や社会保障改革について党首間で合意した。2025年度から全世帯を対象に国公私立を問わず就学支援金を支給する。26年度から私立高校に通う場合の就学支援金の支給上限を引き上げる。25年度予算案を修正することで維新が予算案に賛成するため、衆院で可決する見通しとなった。

石破茂首相(自民党総裁)、公明党の斉藤鉄夫代表、維新の吉村洋文代表が同日国会内で会談した。「25年度予算案を修正し、年度内の早期に成立させる」という合意文書を交わした。当初予算の段階で予算案を修正するのは29年ぶりとなる。

合意後も引き続き、自公両党、日本維新の会の3党の枠組みで「合意事項の実現に責任と誠意を持って取り組む」と記した。

高校無償化は現在の国の返済不要の就学支援金制度を拡充する。現在は公立・私立を問わず世帯年収910万円未満なら年11.8万円、私立の場合は世帯年収590万円未満なら年39.6万円(全日制)を上限に支給する2階建ての仕組みだ。

国から都道府県や学校を経由して授業料に充てる。

まず25年度から1階部分の「年収910万円」の所得制限を撤廃する。私立加算の2階部分は26年度から「年収590万円」の要件をやめ、支給限度額を現行の39.6万円から私立授業料の全国平均45.7万円に引き上げる。

自民が維新に示した資料などによると、新たに受給の対象となるのは87万人で、増額の対象になるのは83万人だという。合計で170万人ほどが対象となる。

あわせて低中所得世帯の高校生向け奨学給付金や公立の専門高校の施設整備への支援も拡充する。26年度から0〜2歳児の幼児教育・保育の支援を広げ、小学校を念頭に給食無償化を実現する。

政府が今夏にまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)までに大枠を示し、26年度予算の編成過程で詳細を決める。

現役世代の負担を軽減するための社会保険料の引き下げに向けては自公維3党による社会保障改革に関する協議体を設置する。

25年末までの予算編成過程で検討し、実現可能なものから26年度から実行するとまとめた。市販薬と効果やリスクが似る「OTC類似薬」の公的医療保険の適用外などを詰める。

政府・与党は23年度から28年度にかけて歳出改革などで1兆円の社会保険負担の軽減が生じると説明する。維新は国民医療費の総額を年間で最低4兆円削減し、現役世代1人あたりの社会保険料負担を年間6万円引き下げるとしている。

これらを「念頭に置く」と記述した。

実現のための財源論は置き去りになった。財源は「政府全体で徹底した行財政改革を行うことなどで安定財源を確保する」と記すにとどめた。

政府提出の25年度予算案は国会で修正し、少数与党に加えて維新の賛成で衆院で可決する見通しになった。当初予算案が国会修正を経て成立するのは現行憲法下で5回目。第1次橋本龍太郎内閣の96年度予算案以来となる。

自民、公明両党は24年10月の衆院選の結果、衆院で過半数を持たない少数与党となった。25年度予算案の賛成を引き出すため、維新など野党との協議を続けており維新の要求を受け入れた。

自公は国民民主党との協議も続けている。公明党は21日、所得税納付が必要になる「年収103万円の壁」を巡って、非課税枠を広げる対象の年収上限を自民党案の500万円から850万円に上げる新たな案を提示した。

所得税の納税者の8割強の4600万人が減税対象になるという。

自民の税制調査会は25日、「インナー」と呼ばれる幹部による非公式会合を開き公明案を了承した。国民民主は同日開いた税制調査会で公明案を受け入れられないとの意見が大勢を占めた。

削除を求めてきた非課税枠の年収制限が自公の案に残っているとの理由からだ。自公に再考を要求する。

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