米国株の楽観は時期尚早、持続的な上昇の要件満たさず-モルガンS

Michael Msika

  • 上昇維持には4つの条件、今クリアしているのは2つのみ
  • S&P500種、2月に記録した最高値からの下げは半分程度回復

米国株のセンチメントは上向いているが、投資家が安堵(あんど)するのは時期尚早だと、米モルガン・スタンレーのストラテジストが慎重な見方を示した。

  マイケル・ウィルソン氏率いるモルガン・スタンレーのチームは、より持続的な株価上昇を維持するために必要な条件として4項目を特定したが、進展が見られたのこのうち2項目だけだと指摘した。12日付のレポートによれば、この2項目とは「中国との貿易協定に関する楽観的な見方と、企業の利益見通しの安定化」だ。

  それ以外の2つの条件である「よりハト派的な米金融政策当局と、リセッション(景気後退)を懸念させるようなデータが示されない中での4%を下回る10年債利回りは、まだ見られていない」という。

  連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は先週、金融政策の緩和について様子見のアプローチをあらためて示し、米10年債利回りは現在4.4%を超えている。ウィルソン氏らは「10年債利回りが4.5%を超えると、バリュエーションにとっては逆風になるだろう」と述べた。

  12日の市場ではリスク資産が上昇。米国と中国が一定期間、関税を引き下げることで合意したことに反応した。

関連記事:米中が90日間の関税率の大幅引き下げで合意-貿易協議で共同声明 (1)

  世界的な貿易戦争への懸念から、S&P500種株価指数は2月の最高値から約19%下落。米国政府が各国と通商交渉を開始すると、これまでに値下がりの約半分を回復した。

原題:Morgan Stanley’s Wilson Warns US Stocks Not Yet in the Clear

(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE

関連記事: