新たな彗星を発見、「C/2025 F2(SWAN)」と命名 観測のポイントは?

新たな彗星が夜空に見つかった。「C/2025 F2(SWAN)」と命名された彗星は現在、双眼鏡でその姿を確認でき、2025年5月1日ごろに最も明るくなると予想されている。 【画像】2025年4月7日に撮影されたC/2025 F2(SWAN)彗星 3月下旬に発見された彗星は当初「SWAN25F」の仮称で呼ばれていた。現在の明るさは8等級で、当初より著しく明るさを増しているが、肉眼では見えない。望遠鏡や大型双眼鏡(10×50mm程度)を使えば、北半球からのみ日の出の1時間前の薄明時に、北東の地平線上に見つけられる。 ペガスス座の「大四辺形(秋の四角形)」を形づくる4つの星の1つ、ペガスス座β星(シェアト)のすぐ下を探すとよい。星空観察アプリのStar Walkを使うと見つけやすい。 英国のアマチュア天文家デイブ・イーグルが運営するウェブサイトStar-Gazingによると、C/2025 F2(SWAN)はアンドロメダ座に移動する4月中旬まで北半球から観測できるとみられる。その後は、太陽に近づくにつれて薄明の中に消えていくだろう。 太陽に最も接近する近日点には、5月1日に到達する。これ以降は日没後の夜空に姿を現すが、南半球からしか観測できない。近日点通過後は、肉眼ではぎりぎりだが双眼鏡でならよく見える5等級の明るさになる見込みだ。 ■天文学者も注目 4月8日にイタリア・マンチアーノからこの彗星を撮影した天体観測サイトVirtual Telescope Projectの天文学者、ジャンルカ・マシは「見事なイオンの尾を引いていて、微細な構造が見える」と述べている。 天体写真家のマイク・オラソンも、米アリゾナ州ツーソンから撮影した彗星の画像を天文情報サイトのSky&Telescopeに投稿。経験豊富な彗星写真家のミヒャエル・イェーガーとゲラルド・レーマンも、オーストリア・バイセンキルヒェンから撮影した写真をX(旧ツイッター)で公開した。 ■彗星の名前が変わる理由 彗星は発見当初、仮称で呼ばれる。世界中のアマチュア天文家の協力を得て公転軌道を確認できるまでは、その発見は正式のものではないからだ。この作業が完了すると、国際天文学連合(IAU)の小惑星センター(MPC)によって新たな彗星の発見が公式に発表され、正式名称が付与される。 C/2025 F2(SWAN)は3月下旬、オーストラリアの天文学者マイケル・マティアッツォが発見した。すでに太陽に比較的接近した状態にあり、太陽観測衛星SOHO(SOlar and Heliospheric Observatory)に搭載された太陽風観測装置「SWAN」の画像から検出されたことから、SWAN25Fの仮称で呼ばれていた。 発見が遅れたのは、突然の爆発によって明るさが急上昇したためと思われる。米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)が共同運用するSOHOは、約30年前に打ち上げられ、太陽の観測を続けている。

Jamie Carter

Forbes JAPAN
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