米銀大手の株主還元、2024年は1000億ドル超-規制の脅威薄れる
- 経営陣の間ではトランプ次期政権による規制緩和への期待高く
- 米銀大手、2025年もさらに株主還元を手厚くすると予想
米銀大手6行が2024年に配当や自社株買いを通じて行った株主還元の規模は1000億ドル(約15兆5200億円)を超え、2021年以来の高水準となった。ブルームバーグがデータを集計した。
これまでは規制強化への懸念から資本を手元に確保していたが、トランプ次期政権が規制緩和を進めるとの期待が高まっており、銀行の経営陣は今年も株主還元を厚くするとの見方を示している。
シティグループは15日の決算発表にあわせ、今後数年で200億ドル規模の自社株買いを行う方針を表明。ようやく投資家の期待に応えた。これまではリスク管理と統制への投資に振り向けており、大手行の中で自社株買いが最も少なかった。
JPモルガン・チェースのジェレミー・バーナム最高財務責任者(CFO)は同行には余剰資金が十分にあり、これ以上増やしたくないとの考えを示した。その上で「他の条件が同じであれば、自社株買いによる資本還元が増えることになる。それが現在の当社の計画だ」と述べた。
期待されている通り、トランプ次期政権が規制緩和を進めれば、銀行は融資を増やすための資金を確保でき、株主への還元も手厚くできるはずだ。
ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・ソロモンCEOは電話会議で、「政権交代と米連邦準備制度理事会(FRB)内の幹部交代を踏まえ、従来とは異なるアプローチが採用されると当社では想定している」と述べている。
The six biggest banks returned more than $100 billion of capital last year
Source: Company filings, Bloomberg
原題:Banks Hand $100 Billion to Investors as Regulatory Threat Wanes(抜粋)