トランプ氏激怒“ウクライナ和平”空中分解寸前?
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「何の切り札もない男」と、また苛立ちを隠さないトランプ大統領。難航する和平交渉にため息をつく場面も。
■トランプ氏「和平交渉にとても有害」
かつては「大統領に就任したら24時間で戦争を終わらせる」と繰り返してきましたが、間もなく就任から100日が経とうとしています。
ロシアによるウクライナへの侵攻。停戦交渉についてトランプ大統領は。
トランプ大統領
「すべて順調だ。ただ戦争が終わるのを見たい。双方が幸せかは関係ない。重要なのは双方の合意だ」
交渉が順調に進んでいるとアピールしますが、23日、英独仏を交えてロンドンで行われたウクライナとの会合について問われると、思わずなのか、ため息をつきました。どうやら23日の会合も不調に終わったようです。
トランプ大統領
「2人の人間が、強くて賢い2人の人間が、合意する必要がある。合意すれば、すぐに殺戮(さつりく)は終わる」
トランプ大統領のSNSでは。
トランプ大統領のSNS
「ウクライナの大統領、ゼレンスキーの発言は、ロシアとの和平交渉において非常に有害だ」
「ゼレンスキーのような挑発的な発言が、戦争の解決をとても難しくしている」
またまた、ウクライナのゼレンスキー大統領を激しく非難しました。
上智大学 前嶋和弘教授
「トランプ大統領は焦っているので、ゼレンスキー氏を揺さぶっている。戦局はロシアに有利なので、なかなかロシア側が妥協してこない。まずはウクライナ側に領土の一部をあきらめさせることによって、ロシアと話そうというのがトランプ側の狙いだが、そもそも攻めてきたのはロシアで、ウクライナ側としては納得できない」
アメリカ・メディアによると、トランプ政権は先週「最終提案」だとするものをウクライナ側に示したと言います。
それは、ロシアが一方的に併合を宣言したクリミア半島や東部4州の占領地域をロシア領として認めるもの。
一方、ウクライナに対しては、ヨーロッパ諸国などが安全保障に関与するとしましたが、アメリカの参加は不明で、どういう形のものになるかも示されていません。
ゼレンスキー大統領
「ウクライナはクリミアの占領を法的に認めることはない。我々の憲法に違反する。クリミアはウクライナ国民の領土だ」
当然、ゼレンスキー大統領は領土の放棄を拒否。これにトランプ大統領が激怒したのです。
トランプ大統領
「ロシアとは合意できていると思う。ゼレンスキーとも合意しないといけない。ゼレンスキーとの交渉はもっと簡単だと思ったんだが、これまでのところ難しい。だが問題ない」
なぜ、トランプ大統領はロシアが有利なようにことを進めるのでしょうか。
前嶋教授
「『「ウクライナに出すお金があれば、アメリカに持ってくるべきだ』これはトランプ政権、基本的に一貫しています。トランプ政権としては、ウクライナ戦争はなるべく早く終える。早く終えるということは(戦局有利な)ロシアが勝つことで終えるんだと。トランプ政権・自身の言葉もかなりロシア寄りです。ロシアが納得できる話を色々考えているように見える」