これが八村塁のワークアウトだ。「量より質の20分」でフィルハンディが意識していること(BLACK SAMURAI 2025 THE CAMP 2日目)

NBAロサンゼルス・レイカーズの八村塁選手によるプロジェクト「BLACK SAMURAI 2025」の中高生向けトレーニングキャンプ2日目が8月19日、愛知・名古屋で開催されました。

この日は、八村選手が実際にしているという20分間のワークアウトを披露するところから始まりました。

ハンディコーチは「NBAのゲームは多く、7日間で5試合することもあり、ワークアウトは効率的である必要があります。塁が20分間でいろんなことを網羅するのが見られるでしょう」と説明。

「量より質で、20分間で普通の人が1時間でこなせることをします」「トレーニングも効果的に、短い反復、激しい反復を入れます」とワークアウトの構成や意図を語りました。

また、八村選手のようなプレーエリアが広く、汎用性の高い選手向けに、さまざまな動きを網羅する内容にしているといいます。

・ドリブルのハンドリング。クロスオーバー、レッグスルー、クロスオーバーからのレッグスルーをそれぞれ決まった回数。この動きを、前進しながらするパターンも

・ゴール下にアタックしてレイアップ、通常よりも重いレッスンボールを使用。スピンの動作を加えたパターンも

・コーナー(0度)や45度の位置で、片足で2回ジャンプした後、ドリブルを2回ついてジャンプシュート。2回目のドリブルをレッグスルーで切り返すパターンも

・ポストアップからのジャンパー(ドリブルありとなし)

ドリブルで押し込む際に「低くて広いスタンスを取ればパワーが出せます」とハンディコーチ

・3ポイントシュート。スポットアップと、ディフェンスを意識して横にワンドリブルしてシュート

ワークアウトのあと、参加選手たちは相手のドリブルの動きを真似るハンドリングからスタート。

その場でのドリブルからの片手パスや、中に切れ込むドライブからコーナーにキックアウトする動きも練習しました。

ハンディコーチが何度もプレーを止めて「ゲームスピードで」「居心地が悪くなるぐらい(ハードに)」と選手たちに檄を飛ばしていました。

ドリブルやフックワークを駆使したシュートドリルもありました。

スクリーンを使った2組のプレーでは、ハンディコーチから「レブロンにスクリーンするのは誰?」と尋ねられた八村選手は「オースティンリーブスなど小さい選手がスクリーンするのが流行っています」と答えます。

3on3では、オフェンスはポストプレーなしで3ドリブルまで、ディフェンスはスイッチなしのルールで実施。 NBAのインディアナペイサーズの早い切り替えを例に挙げて、シュートの決められた後のアウトレットパスを素早く出すようハンディコーチは強調しました。

キャンプの終盤。ハンディコーチが「上下ゲーム」を始めます。「上」と言ったら体勢を起こして、「下」なら腰を落とす。違う動きをした人が脱落していくゲームです。

八村選手に日本語を教えてもらい、フェイク動作などで選手たちを騙そうとします。途中から「up」「down」と英語に変更。

最後まで残った選手には、ハンディコーチと八村選手がそれぞれ、履いていたバッシュにサインをしてプレゼントするサプライズもありました。

ゲームは、選手が緊張しているのではないかと考えた八村選手からの提案だったそうです。

2日目のキャンプ後、参加者の福岡大大濠高校1年の白谷柱誠ジャック選手は報道陣の取材に応じ、八村選手から次のようなアドバイスがあったと明かします。

「きょうは『シュートが被りすぎている』(シュート位置が後ろ気味)と言われて、被りすぎると回転もつかないという話もあって、そこできょうシュートフォームを修正させてもらいました」

「アドバイスは絶対に忘れずに、今後の練習に生かしていけたら」とも語りました。

参加者で中学2年のアイシャ選手が、ハフポスト日本版の取材に応じました。

キャンプの感想について「トップレベルのコーチや塁選手に教えてもらうことで、自分の競争心が大事なことを学べたし、もっと火がつきました」と語りました。

八村選手からは「これからも戦う時は、相手が外国の選手だと思ってプレーしてね」という言葉をかけられたといいます。

アイシャ選手は、弟マナン選手とともに特別招待枠としてキャンプに参加。「BLACK SAMURAI」公式動画の中で、自身が黒人差別を受けた経験や、差別に屈しない八村選手への憧れを語っていました。

ロールモデルとしての八村選手について、アイシャさんは「私も塁選手と同じように嫌な経験をしたことがあったから、塁選手がそういう思いがあったのにビッグスター選手になったので、私もそんな風な選手になれたらいいなと思いました」と語りました。

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