米人気ユーチューバー、未来的な中国テクノロジー紹介-視聴者を魅了

米国の人気ユーチューバー、アイショースピードの中国訪問は、中国のテクノロジーにおける最先端の進歩について、ファンたちの間で幅広い関心を呼び起こした。華為技術(ファーウェイ)や比亜迪(BYD)の製品が注目されている。

  動画サイト「ユーチューブ」でフォロワー数3800万人を超えるアイショースピードの本名は、ダレン・ワトキンス・ジュニア。定期的にライブストリーミング配信を行っており、一度に数時間配信することも多い。

  ユーモアと印象的な性格で知られるワトキンス氏(20)は、世界中を旅しながらユニークで大胆な体験をインターネット上で共有しており、旅先で多くのファンや見物人に囲まれることも多い。

  中国がトランプ米大統領の標的となっている今、ワトキンス氏の深圳や重慶、上海などへの訪問は、同氏を想定外の中国大使に仕立て上げた。

  米ジョージア州立大学のバーバラ・ダフェック助教(マーケティング)は、ワトキンス氏のアドリブトークは本音を感じさせ親しみやすく、視聴者は同氏がテクノロジーに本当に感銘を受けていると信頼を寄せるようになると語る。「公式の台本通りに商品を推奨よりもずっと良い」という。

  約6時間にわたって配信され800万回視聴されたライブストリームで、ワトキンス氏は水上を浮遊できるBYDの高級スポーツタイプ多目的車(SUV)「仰望U8」に乗り込んだ。

  川に入ると、最初は恐怖の声を上げたワトキンス氏だったが、その後、サンルーフから車の上に身を乗り出して撮影しながら「なんてこった、この車は沈まないぞ!そして、僕らは車の中にいる!中国はこれを手に入れたんだ!」と叫んだ。

  ワトキンス氏は深圳のファーウェイストアを訪れ、同社の「Mate XT」を3台購入した。Mate XTは3つ折りスマートフォンで、開くとタブレットになる世界初の商品。 店内にいた数十人の客は、同氏の様子を録画し購入に歓声を上げた。

  オンライン視聴者からは、中国のテクノロジーは「別格」で、過小評価されているというコメントが寄せられた。米国が時代遅れであるかのように見えるという声もあった。

  米国の消費者は、中国製品を実際に手に入れたいと思っているようだ。南カリフォルニア大学のロバート・コジネッツ教授(マーケティング)は電子メールで、ワトキンス氏の訪中は、現在進行中の中国製品への関心と需要にさらに拍車をかけるとの見方を示した。

  ファーウェイは国家安全保障上の懸念から米国による制裁措置の対象となっており、BYDは現在、中国製自動車に課される高関税と自動運転技術の禁止のため米国では乗用車を販売していない。

  コジネッツ教授は「こうしたものを禁止しようとする考えは、ただ欲求を生み出すだけだ。歴史が示すように、『禁断の果実』症候群は需要を高める」と指摘した。

原題:YouTube Star Woos American Consumers With Futuristic China Tech(抜粋)

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