【インフル】痛くないワクチン「フルミスト」小学生「小さい子でもできるかな」注射と比べると 福岡
福岡県内ではインフルエンザの感染者が前の週より増え、8週連続で流行期の目安を上回っています。予防接種を行っている福岡市のクリニックでは「注射ではないワクチン」へのニーズが高まっています。
福岡市南区の小児科クリニックです。この日、予防接種のために訪れた子どもが受けていたのは、注射ではなく鼻の中にスプレーを吹きかける、インフルエンザのワクチン「フルミスト」です。■くろかわみちこ小児科クリニック・黒川美知子 院長「見て見て。注射ないやろ。」「フルミスト」は2023年に国内での製造・販売が承認され、2024年から医療機関への供給が始まりました。対象は、2歳から18歳までです。このクリニックでは、この日だけで16人が「フルミスト」の接種を受けました。その特徴は、注射のワクチンのような痛みがないことです。■小学生「冷たくて、ちょっと甘い味がしました。痛くないし、小さい子でもできるかなと思いました。」
今シーズンの接種が始まった10月1日から数えると、およそ130人が「フルミスト」を選んでいて、2024年を上回るペースだといいます。
26日までの1週間に報告された、福岡県内の1医療機関あたりのインフルエンザの感染者は3.93人です。前の週のおよそ1.5倍に増加していて、流行の目安である「1人」を8週連続で上回っています。
インフルエンザの感染が広がる中、「フルミスト」へのニーズが高まる背景には、親の負担が減るという側面もあります。■保護者「病院に2回来ないといけないという手間がなくなる。」
注射のワクチンの場合、12歳までの子どもは2回接種を受けますが、「フルミスト」は1回の接種で済みます。
このクリニックでは、3歳から12歳までの場合、注射は1回4000円、「フルミスト」は1回8000円です。注射は2回接種のため、経済的な負担にほとんど差はありません。
ただ、「フルミスト」は毒性の弱いウイルスを使った生ワクチンのため、副反応に注意が必要です。■黒川院長「少し、インフルエンザの症状が出ることがあります。点鼻して、だいたい3日以内に出ると言われています。ちょっと熱が出ても24時間以内に下がれば、フルミストの副反応だったと思ってそのまま過ごしていいと思います。」黒川院長は「フルミストのワクチンを選ぶ際は、健康状態をよく把握している、かかりつけ医に相談してほしい」と話しています。厚生労働省によりますと、「フルミスト」と注射のワクチンを合わせた供給の見通しは、2024年に使われた量を上回っていて、「不足の心配はない」ということです。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年10月30日午後5時すぎ放送