利下げには追加データ待つべきだった、シカゴ連銀総裁が反対理由説明

グールズビー総裁、2025年4月10日撮影 REUTERS/Brendan McDermid/File Photo

[ワシントン 12日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は12日、今週の利下げに反対した理由について、企業や消費者が依然物価上昇に強い懸念を示していることから、インフレと労働市場の状況に関する追加データを待つべきと感じたためと説明した。

来年初めまで利下げを待つことは、来週発表される主要経済統計などを確認できる利点があったとし、「緩やかに冷え込んでいるだけ」とみられる雇用市場に追加リスクを与えることはなかったとの見方を示した。

「われわれはもっと多くのデータ、特にインフレに関するデータを得るのを待つべきだった」と指摘。「新年になってからこの問題を取り上げるのであれば、追加的なリスクはそれほど大きくなく、一時得られなかった経済データの更新というメリットもあった」と語った。

「インフレ率が4年半にわたって目標を上回り、一段の改善が数カ月間停滞していること、そして最近管轄地区で話をしたほぼ全ての企業関係者や消費者が物価を主な懸念事項と挙げたことを考えると、より多くの情報を待つことが慎重な方法だっただろう」と述べた。

また「労働市場が急速に悪化していることを示す材料はほとんどなく、措置を講じる前に来年初めのデータを待つことができなかったとは言えない」とし、今後発表されるデータでインフレ率が2%の目標に戻っていることが示されれば、来年金利が「大幅に」引き下げられる可能性に依然「楽観的」だと語った。

グールズビー氏はその後、CNBCの番組で、今週の利下げに反対票を投じたにもかかわらず、2026年の政策見通しについては「タカ派的」ではないとの考えを示した。

「参加者の政策金利見通し(ドットチャート)に関して、私は最も楽観的なメンバーの一人だ」と説明。政策金利予想の中央値で26年の利下げが0.25%ポイント1回のみと示される中、自身はこれよりも金利は低い水準になると想定しているとし、「私はただ、利下げを前倒しすることに不安を感じているだけだ」と述べた。

現在のインフレについては「一時的なものだと仮定することはできない」とし、来年の第1・四半期まで利下げを待つことで、FRBはインフレ低下を確信できるとの見方を示した。

また、雇用市場の指標はかなり安定していると言及。労働市場が採用も解雇も少ない「低採用・低解雇」の状態にあることは、景気循環の悪化を示唆するものではないと述べた。

FRBは9─10日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利下げを決定。グールズビー総裁はカンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁とともに金利据え置きを主張し、利下げに反対票を投じた。 もっと見る

グールズビー総裁とシュミッド総裁は、来年はFOMCで投票権を持たない。

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Covers the U.S. Federal Reserve, monetary policy and the economy, a graduate of the University of Maryland and Johns Hopkins University with previous experience as a foreign correspondent, economics reporter and on the local staff of the Washington Post.

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