スペイン、セウタに対する主権を改めて表明 不法移民数万人の殺到受け 今も数千人が残存
【AFP=時事】北アフリカのモロッコに隣接するスペイン領の飛び地セウタに不法移民数万人が殺到したのを受け、スペイン政府は3日、同国のセウタに対する主権について「疑う余地はない」と主張した。 【写真】英強硬右派リフォームUK、海軍使って不法移民阻止と表明 フランス反発 この問題について、スペイン政府はモロッコ政府への批判を避けているが、モロッコの対スペイン圧力の一環だとの見方を示す専門家もいる。 モロッコは、セウタおよび北アフリカにあるもう一つのスペイン領の飛び地メリリャをスペイン領として認めておらず、1956年の独立以来、セウタとメリリャの主権を主張し続けている。 スペインのホセ・マヌエル・アルバレス外相は3日、テレビ番組で質問に答える形で、「セウタとメリリャがスペイン領の不可分の一部であることは、全世界にとって疑う余地はない」と述べた。 セウタへ殺到した推定5万人の不法移民の大半(多くは国境フェンスを迂回して海を泳いで不法入国した)はその後、モロッコへ送還された。 セウタ駐在のスペイン中央政府代表ミゲル・アンヘル・ペレス氏は3日、推定2500人が依然としてセウタにとどまっているとの認識を示した。 一方、セウタのフアン・ヘスス・ビバス首長は、3000~5000人の不法移民が依然としてセウタにとどまっているとの見方を示した。 物流団地では不法移民数十人が劣悪な環境で寝起きしており、その中にはモロッコ人女性のナディアさん(29)の姿もあった。 「手洗いやシャワーのための水もない。シャワーとトイレは閉鎖された。正直、ものすごくつらい思いをしている」と語った。 同じくモロッコ人のアシアさんは、「泥やカビだらけだ。トイレは汚物まみれで、多くの人が使っているが全員分には到底足りない」と語った。 子どもの権利保護に取り組む国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」は、先週到着して今もセウタにとどまっている不法移民のうち「約1000人」は保護者が同伴していない未成年者だと指摘している。 同NGOによると、セウタの児童保護システムの受け入れ能力は100人分にとどまるという。 スペイン当局は、自国領海で死亡が確認された不法移民は72人だと発表した。 一部の専門家は、最近宿敵であるアルジェリアとの関係を強化したスペインに対して外交的圧力をかけるため、モロッコ側が不法移民の国境越えを黙認した可能性があると指摘している。 スペイン当局は、移民に関する最近のスペイン最高裁の判決を受けて不法移民の入国が容易になったというデマを犯罪組織が拡散したと非難している。【翻訳編集】 AFPBB News