中国1─2月輸出、米中貿易摩擦激化で大幅減速 輸入は予想外の急減

 中国税関総署が7日発表した1─2月の貿易統計は、ドル建ての輸出が前年同期比2.3%の増加にとどまった。米国との貿易摩擦の激化を受けて減速した。輸入は8.4%減と予想外のマイナスとなった。写真は中国江蘇省の港で2019年11月撮影。提供写真(2025年 ロイター)

[北京 7日 ロイター] - 中国税関総署が7日発表した1─2月の貿易統計によると、米中貿易摩擦の激化の影響を受けて輸出が大幅に減速した。輸出に大きく依存している中国の景気回復に打撃を与える可能性がある。一方、輸入は予想に反して減少した。

1─2月の輸出は前年同期比2.3%増にとどまり、ロイターがまとめたエコノミスト予想の5%増を下回った。昨年12月は10.7%増だった。

輸入は8.4%減少した。市場予想は1%増、12月は1.0%増だった。

税関総署は春節(旧正月)の時期のずれによる影響を調整するため、1月と2月の貿易データを合算して発表している。

保銀投資(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は「(輸出の鈍化は)貿易戦争を避けるために昨年末活発だった前倒し輸出が鈍化したことが一因かもしれない。輸入の急減は、内需の低迷と加工貿易向け輸入の減少の両方を反映している可能性がある」と指摘し、米関税引き上げのダメージは来月に表れるとの見方を示した。

習近平指導部は今年、消費と内需の拡大に最優先で取り組む姿勢を示している。

INGの大中華圏チーフエコノミスト、リン・ソング氏は「今年、消費や民間投資が想定以上の強い回復を見せない限り、輸入は低迷が続く」と予想した。

輸入急減は、中国政府が主要コモディティー(商品)の購入を縮小し始めたことを示唆するとアナリストは指摘する。

国有企業の輸入は20.6%減少。民間企業の輸入は2.7%増加した。世界最大の商品輸入国である中国が海外からの調達よりも備蓄に依存していることを示唆する。原油輸入は5%減少。レアアース(希土類)は24.1%、銅は7.2%、鉄鉱石は8.4%それぞれ減少した。

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