中国の消費者心理悪化、景気減速リスク浮き彫り-人民銀の四半期調査

中国消費者の労働市場に対する見方が過去最悪となったことが、中国人民銀行(中央銀行)の調査で分かった。政府目標を上回る経済成長率が続いているものの、景気減速リスクが浮き彫りとなっている。

  25日発表の調査によると、4-6月(第2四半期)に所得と雇用、物価に対する消費者の悲観的な見通しが強まった。消費意欲は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まって以来、最も弱い水準となった。

  回答者の3分の2近くが「貯蓄を増やしたい」と回答。雇用指数は過去最低を記録した。

  トランプ米政権の関税措置に対し、中国経済は輸出の強さでしのいでいるが、調査結果は景気の脆弱(ぜいじゃく)性が高まっていることを示している。

  4-6月の調査結果は1-3月(第1四半期)の結果と合わせて発表された。ここ数年、発表のタイミングが不規則になっている。

  ゴールドマン・サックス・グループのユーティン・ヤン氏らエコノミストはリポートで、「最新のデータは悲観的な見通しを物語っている」と指摘した。

  昨年の後半以降、小売売上高は持ち直していたが、消費者心理の改善ではなく、主に政府の補助金が後押ししていた可能性がある。

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  調査ではまた、消費者物価や住宅価格が上昇すると予想する回答者の割合が減少した。2022年から住宅価格が下落している不動産セクターの低迷が続くことが示唆された。

  別の調査によれば、企業の規模を問わず融資需要が1-3月から減少。人民銀の関連指数も16ポイント余り落ち込み、少なくとも09年以来の低水準となった。

  中国経済全体の物価動向を示す国内総生産(GDP)デフレーターは9四半期連続で低下し、1993年の統計開始以来、最も長期にわたる下げとなっている。物価期待指数も4-6月に再び低下した。

  人民銀は中国50都市の銀行預金者2万人、銀行約3200行、企業5000社余りを対象に調査を実施した。

原題:PBOC Finds Consumer Mood Is Turning Darker Even as Economy Grows(抜粋)

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