【現地取材】ロシア“障害負った帰還兵”増加で苦慮…戦争の代償とは〜ウクライナ侵攻4年〜
ウクライナ侵攻からまもなく4年となる中、ロシアでは戦闘で障害を負った帰還兵が増え、プーチン政権も対応をせまられています。
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今月、私たちが訪れたのは、ロシア南部ボロネジ州です。
ウクライナの戦場で負傷したおよそ30人の帰還兵が、リハビリや心理的ケアなど様々な支援を受けていました。
リハビリ中の帰還兵「負傷した当初は、これほど支援があるとは思っていませんでした。退役軍人として自動車を受け取り、車用のリフトも支給される予定です」
州政府はリハビリ施設を今後も増やしていくといいます。
ボロネジ州・社会保障相「帰還兵のリハビリは、州の最優先課題の一つです」
■義足などの需要が急増
負傷兵が前線から戻ってくるのに伴い、いま、ロシアで需要が急増しているのが…
義肢会社・スタッフ「歩き出すと“義足”が動きを自動で調整します」
ロシア軍では、障害認定された負傷兵の半数が手足を失っていて、義足などを支給する今年の国家予算は戦前の3倍、およそ2000億円に達しています。
帰還兵「国が一定額の補助金を支給してくれます」
高機能の義足は140万円から500万円と高額ですが、全額国の負担です。
■帰還兵へのサポートの裏に“危機感”
こうした帰還兵への手厚いサポートの裏には、プーチン政権の“危機感”があります。
先月には、帰還兵の失業者数が「25万人」と国営メディアが報道。しかし、その直後「数万人」に“下方修正”したといいます。
帰還兵の不満が高まればプーチン政権を揺さぶりかねず、都合の悪い事実を隠蔽(いんぺい)しようとした可能性も。
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帰還兵にくすぶる“不満”…
私たちが取材したのは、日本のアニメが好きだという帰還兵の25歳の男性です。
帰還兵の男性(25)「塹壕(ざんごう)を掘っている時、突然地面が爆発して砲撃が始まったと分かりました。逃げる途中で意識を失いました」
侵攻開始直後の2022年3月に重傷を負い、下半身不随となりました。こう本心を打ち明けます。
帰還兵の男性(25)「国の支援はありますが、最後までは面倒を見てくれません。本気で働きたいと思っていても、要望は聞きましたと言われるだけで、それ以上先に進みません」
自らが戦ったウクライナでの軍事作戦については…
帰還兵の男性(25)「(軍事作戦について)最初からなかったみたいに、完全に興味を失いました」
■失業問題に加え…帰還兵の犯罪も
失業問題に加えて、帰還兵による凶悪事件の増加も社会の不安定化につながりかねません。帰還兵の犯罪件数は、少なくとも8000件に上ると報じられています。
いまだ和平への道筋が不透明な中、戦闘の長期化は、ロシア社会にも重い代償を突きつけています。